内容説明
安全と秩序を守る警察と罪を犯した人を裁く裁判所は本当にいつも正しい判断をしているのだろうか。何もしていないのに逮捕され、有罪判決が下される冤罪事件や、判決が出る前から悪者抜いしてしまう意識はなぜ、どのようにして生まれてくるのか。数々の難事件を手がけた怪物弁護士が語る警察・検察・裁判所の現実。
目次
序章 私はなぜ「悪者」の味方をするのか
第1章 「犯人逮捕」は本当なのか
第2章 「自白」は本物なのか―密室での取調べと自白偏重主義
第3章 逆転無罪―判決までの長すぎる道のり
第4章 死刑制度を考える―最大の犯罪抑止力か、国家の犯罪か
第5章 司法制度を考える
第6章 忘れ得ぬ人たちとの出会い
第7章 私が弁護士になった理由
第8章 仏教と私
著者等紹介
遠藤誠[エンドウマコト]
1930年宮城県生まれ。東京大学法学部卒業。弁護士
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感想・レビュー
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タルシル📖ヨムノスキー
22
ちくまプリマー新書の前身ちくまプリマーブックスの一冊。かなりインパクトのあるタイトルだったので軽い気持ちで手に取りましたが、なかなか骨太な一冊でした。「裁判官も検察官も弁護士も所詮は人間で、やっぱり間違えたりするよなぁ」というのが読了後の第一印象。冤罪とか自白の強要とかはやっぱり怖いし、今のマスコミ報道なんかを見ていると「推定無罪の原則」は守られていないような気もするし…。この本が出てちょうど20年経っているので、当時とは状況も法制度も変化していると思うが、やっぱり根本は変わってないんだろうなぁ。2021/10/20