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内容説明
日本はいつから皇国日本へとむかったのか。いつだったら戦争をふせぐことができたのだろう。個々人の思いをこえ、時代の大きなうねりや激流に翻弄された昭和の歴史。歴史の意外な展開を検証しつつ、世界が激動するいま、私たちに選択できることは何かを考える。
目次
激動の世界と歴史学
歴史における革命と改革
民衆と歴史
“聞き書き”と歴史学
自己認識による地域史
餅なし正月の謎を追う
いつだったら戦争はふせげたか
日本再生物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわかみ
1
面白い本で一気に読んでしまった。著者は近代日本の経済史が専門だが、「進歩的」学者ながらマルクス主義者ではない。また、オーラル・ヒストリーの可能性にも注意していた。特に近代に至ると、民衆が歴史を動かす局面が出てきたが、同時に民衆が歴史のうねりに飲み込まれる怖さもあるという。ここらへんが本書のタイトルのゆえんだろう。護良親王の伝説と餅なし正月の習わし、鎌倉での大祭のくだりは面白い。同時に著者が今生きていたら、今日の技術の進歩と国際情勢の中で日本の現状と進路について、どう考えただろうか聞いてみたいものである。2021/09/20