ちくま文庫<br> 沈黙博物館

個数:
電子版価格
¥825
  • 電子版あり

ちくま文庫
沈黙博物館

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2025年06月19日 03時41分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 376p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480039637
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

耳縮小手術専用メス、シロイワバイソンの毛皮、切り取られた乳首…「私が求めたのは、その肉体が間違いなく存在しておったという証拠を、最も生々しく、最も忠実に記憶する品なのだ」―老婆に雇われ村を訪れた若い博物館技師が死者たちの形見を盗み集める。形見たちが語る物語とは?村で頻発する殺人事件の犯人は?記憶の奥深くに語りかける忘れられない物語。

著者等紹介

小川洋子[オガワヨウコ]
1962年、岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。1988年、『揚羽蝶が壊れる時』で海燕新人賞。1991年、『妊娠カレンダー』で芥川賞。2004年に、記憶が80分しか持続しない天才数学者と家政婦とその息子の交流を描いた『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

352
小川洋子に特有の、しかしそれにしても、これまでよりも一層に静かな静かな物語。なにしろ、そこでは生きている者たちのことごとくが「形見」を通じて死者たちに奉仕する世界なのだから。「耳縮小手術専用メス」、「沈黙の伝道師」、「泣き祭り」、「シロイワバイソン」など、異空間の物語世界を構成する要素も巧みに配されている。「沈黙の伝道師」は、萩尾望都の『スターレッド』の「夢見たちの杖」を連想させたりもする。そして、物語の終盤は、ことさらに怖く、またやりきれないほどの孤独と絶望の、凍りつくような世界が用意されている。2013/04/27

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

137
その駅に降りたったのは彼だけだった。完璧な町はのどかで音もなく訪れる死は穏やかな春の陽ざし。なのになぜだろうあの町を思いだすとき、浮かぶのは世界を塗りつぶす静かな雪の気配だけだ。 少女はガラスの棺にシロイワバイソンは剥製に切り取られた乳首はホルマリンに漬けて飾られる。不穏な影が森を跋扈してもこの静けさが脅かされることは決してないのだと。それは安心かそれとも畏れなのか。生まれた記憶すらかじかむ指の先で結晶とともに淡く消えゆく。誰からも忘れられたこの地で、沈黙がまもる博物館がひそやかに訪れるものを待っている。2021/02/11

コットン

92
小川洋子さんにサインを頂いた本。小さな村の特別な沈黙博物館に係わることになる僕と依頼人や博物館のスタッフ達、沈黙の伝道師などが出てくるの話。具体的に話が進むのにつかみ所がない宙吊り状態に陥る所が面白く、興味深い。沈黙の伝道師の見習い少年が舌を氷に押し当てる所を僕が見て「いつしか僕は顕微鏡をのぞいている錯覚に陥る。少年の舌を、プレパラートに閉じこめられた細胞のように眺めている。」とか……。2017/11/16

エドワード

65
形見を英語で引くとmemento、memorialと出る。記念品と同じ言葉だ。しかし記念品と形見は違う。死者の魂の宿るもの、という響きがない。形見は日本語のみの表現だ。この作品はある老婆が村人の形見の博物館を建てる物語だ。主人公は博物館の設計技師。気難しい老婆に雇われる。老婆の養女である少女、庭師と家政婦が助手だ。剪定バサミ、糸巻き車、金歯、犬のミイラ。珍奇な物達が現れる所は「薬指の標本」と似た雰囲気。本作品の方が老婆の動機がよく理解できる。人々の優しい会話。喪われたものへの敬意。静かに物語は終わる。 2012/08/14

あんこ

60
読書メーター200冊目に必ず読もうと思っていた小川さんの小説。主人公が雪の世界に紛れ込んだように、ずっと深く降り積もる雪の中にいるような静かに続く話。沈黙の伝道師に秘密を打ち明ける場面は、『六角形の小部屋』を思い出しました。ひっそりと佇む博物館、そこに集められた形見。囁かなものの声を聴く姿を描いているところが小川さんらしい。博物館もそうですが、どこか幻想的な雰囲気を伴わせるこの町自体が、音のある現実世界から切り離されているような印象を受けました。2014/01/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/553091
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品