内容説明
敵に追いつめられた甲賀の大八が自ら切り落した男根を左手に握りしめ、追手と死闘を続けながら、ひたすら江戸へ向って走るくノ一おふうのひたむきな想いを描く「捧げつつ試合」、犯された女がすべて狂ったように発情する忍法をつかう十五夜孫六の苦悩を語る「濡れ仏試合」他、エロスと人間の運命の無惨さを見つめる「試合」もの八篇。
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
大正11(1922)年、兵庫県養父郡関宮町の医家に生れる。昭和24年、「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で第二回探偵作家クラブ賞を受賞。昭和33年、忍法帖の第一作「甲賀忍法帖」の連載を開始。その後も数々の“風太郎忍法”を生みだし、昭和38年から「山田風太郎忍法全集」を刊行、忍法ブームをまきおこす。平成9年第45回菊池寛賞を受賞。平成13(2001)年7月28日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けやき
40
忍法帖短編集。本編は初めてですが作品は全て既読済み。「つばくろ試合」がベスト。鄭成功から江戸幕府への使者に松平伊豆守と由井正雪からの探索者が絡まって長編にもできそうな話でした。ラストのどんでん返しもよかった。2023/06/13
Kentarou Takeuchi
2
安心の面白さ。愛する男のおにんにんを形見の意志として握りしめた女。膾に叩かれながら至ったのは別の男の閨の女。という話を美しい悲恋に描ける人物って当代おるんかね。2023/08/24
刳森伸一
2
相変わらずのエログロ系だけど、本書はグロ度が低くエロ度がやや高いといった感じだろうか。結末をやや捻っている作品も多めかな。2015/04/30
unknown
2
くノ一が甲賀忍の魔羅を携え江戸へと邁進する「捧げつつ試合」。無双の豪傑が美少年に骨抜きにされ、さらにカマ掘られて・・・という展開が素晴らしい「逆艪試合」。文字通り残尿感漂うオチに思わず股間を押さえざるを得なくなる、処女膜を使った秘薬をめぐる「膜試合」。魔羅に彫り込まれたものは何なのか四苦八苦した挙句に、すっげーナンセンスなオチにしてやられる「摸牌試合」の4編が特に印象的だった。「逆艪試合」は、是非ともせがわまさき先生の画で見たいなーと思ったり。切実に。2010/11/06
アンコ椿
1
エロの妄想って、限りない感じ2013/11/27