内容説明
兄を頼って南仏からパリに上ったアリスティッド・サカールは、オスマン計画によるパリ大改造に乗じて不動産投機に着目、巨万の富を得ようと目論み激烈な戦いを開始する。修道院から出るまぎわに男と過ちを犯した美貌のルネを、サカールは金目当てで妻に迎えるが、やがてルネは先妻の子マクシムと官能的な不倫愛を深めてゆくのだった…。第二帝政期の華やかな建築・美術・風俗を背景にくり広げられる壮麗なドラマを、鮮烈に描き切ったゾラの傑作小説。
著者等紹介
ゾラ,エミール[ゾラ,エミール][Zola,´Emile]
1840‐1902。自然主義文学の第一人者。1860年代半ばから『ニノンへのコント』、『クロードの告白』で本格的に文筆活動をはじめ、71年から93年まで『ルーゴン・マカール』叢書全20巻を次々と出版した。文学評論や美術評論も数多く発表、『実験小説論』やマネ擁護でも知られる。また、ドレフュス事件ではドレフュスの無実を訴えて論陣を張った
中井敦子[ナカイアツコ]
京都大学大学院文学研究科博士課程修了、パリ第7大学博士。現在、同志社大学言語文化教育研究センター教授。専門は19世紀フランス文学
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