ちくま文庫
現代民話考〈9〉木霊・蛇ほか

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  • サイズ 文庫判/ページ数 453p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480038197
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C0139

内容説明

斧をあてたとたん、伐ろうとした木が震え出し、ざわめいた話。木の精霊の凄まじいまでの怒り。大地の精霊である蛇―あるときはたたりを、またあるときは福運をもたらす。古くから伝わる蛇聟や蛇女房の話。木と蛇の霊性・信仰・祖神性を全国各地から集める巻。

目次

第1章 木霊(木霊考;木の精霊;木が死ぬ・木に守られる・木を守る;戦争と木;暮しのなかの木)
第2章 蛇(蛇考)

著者等紹介

松谷みよ子[マツタニミヨコ]
1926年、東京に生まれる。作家。「びわの実学校」同人。松谷みよ子民話研究室主宰。『龍の子太郎』(国際アンデルセン賞優良賞受賞)『ちいさいモモちゃん』(野間児童文芸賞受賞)『あの世からの火』(小学館文学賞受賞)ほか著書多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

29
かつては日本のいたるところに巨木があり、畏怖・信仰の対象であって、人間の都合で木を切るとその応報があるという共通認識があった。その応報は木自身の力なのか、山神や天狗のような木の守護者が怒るのかという捉え方の相違も研究に値すると感じる。また蛇についても、日本全国に大蛇やツチノコの伝承が広くあり、日本人の生活と蛇とは相当縁が深いと感じる。樹も蛇も、人と同じく生命を持ち、故なく命を奪われたり傷つけられたら怒るのは当然であろう。今や自然は共存するものではなく、勝手に破壊し、保護するものという人間の驕りは怖ろしい。2021/10/11

mahiro

12
松谷みよ子氏のこのシリーズはテーマ別に全国から集めた聞き語りの話を集めている。昔の事や現代にあった様々な不思議が語られたままの形で方言まじり、時には数行の短い話が脚色もなしに載せられているのがかえって生々しさを感じる。この巻は木と蛇にまつわる話、北海道から沖縄迄網羅されているので読んだ人は「あ、あそこの話か」など思い当たるのがあると思う。好きな作品なのだが数巻しか手許に無く今は入手しにくいのが残念。民話は昔の物で無く人が生活する限り生まれ続ける物だという言葉が納得できる。2020/10/07

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