内容説明
「まァ聞いてください、老残役太郎がミナサマに、70年代~80年代の愛するミステリ、ジャズ、映画をご報告します」ハメット、チャンドラー等を愛するトノサんが、たくさんのミステリを採点。ハフハフとその興奮を伝える。そして、「死ぬまで役者をやるつもり」のトノさんが、役者根性と撮影現場もしっかり見せます。第2章は単行本未収録の幻の連載。
目次
第1章 浪曲調老残役太郎節(1977年;1978年;1979年;1980年)
第2章 三文役者の待ち時間(1980年;1981年;1983年)
著者等紹介
殿山泰司[トノヤマタイジ]
1915年10月17日、東京の銀座生まれ。’36年新築地劇団入団、初舞台。’42年松竹太秦撮影所入所。同年徴兵されて中国へ。戦後は’47年頃から新藤兼人脚本=吉村公三郎監督コンビ作品で売れっ子となる。’50年近代映画協会創立に参加。以後今村昌平、大島渚監督作品など数多くの作品に出演。ジャズとミステリを愛する。’89年73歳で死去
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感想・レビュー
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unterwelt
1
2003年刊行。中断は挟むものの1977年~1983年までのジャズ、ミステリ、映画撮影の記録。もっともジャズ、ミステリ、映画に興味のない私には「もっともオレたちはマチガイダラケの国家に住んでいるんだから、こんなマチガイなんかどうでもいいか」(P.52)とか、「なんでもついでや、生きるもついで死ぬるもついで」(P.274)なんて言葉に惹かれるのです。それにしてもこういう言葉を書く俳優とか文化人っていなくなったような気がする。良識的な発言をするのが正しい文化人みたいな感じになっている気が。2018/04/16
Bibliotheca
1
名バイプレーヤー殿山泰司の文章は独特の切れがあってくせになる。 ジャズとミステリと演劇にかける熱とエロ。 彼は多分嫌がるだろうけど、インテリという言葉が似合う役者だと読むたびにいつも思う。2015/12/12
わかめ
1
ミステリー小説とジャズにどっぷり浸ってこよやく愛して、ときどきちゃんと仕事して。ただただ~文章のリズムにのせられて最後まで読み切りました。トノさんのエッセイをもっと読みたいし、脇役映画も観たいです。2015/10/17
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