内容説明
野口整体の創始者として、日本の東洋医学を代表する人物である野口晴哉が、初心者に向けてわかりやすく野口整体のポイントを説く。体の自発的な運動を誘導して体の偏りを正す「活元運動」、個に立脚した体力発揚法である「体癖論」と「整体体操」、体の本能的な力を使った「愉気法」などの他、風邪の活用法、飲み過ぎ食べ過ぎの体操、出産前後の体の正し方など。
目次
第1章 「気」による体力発揮
第2章 愉気及び愉気法
第3章 外路系の訓練
第4章 体癖さまざま
第5章 整体体操と体癖修正
第6章 体癖と生活
著者等紹介
野口晴哉[ノグチハルチカ]
「社団法人整体協会」創設者。1911(明治44)年東京生まれ。17歳で「自然健康保持会」を設立。整体操法制定委員会を設立し、療術界で中心的役割を果たす。しかし治療を捨て、1956(昭和31)年文部省体育局より認可を受け「社団法人整体協会」を設立し、整体法の立脚した体育的教育活動に専念する。1976(昭和51)年没
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感想・レビュー
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アナーキー靴下
65
引っ越しによる環境変化のせいか、慢性的な眼精疲労と頭痛と膝痛が更に悪化している今日この頃。自分の生活態度ゆえの結果であることは自覚しているので、この本を読んでみた。内容はややスピリチュアルな印象を受ける。しかしこれは私自身の肉体的鈍感さ、感受性の低さが、その印象を強くしているものと思う。家族のみならず、医師や理学療法士の方からも窘められる心がけ、それらの言葉を総括するとやはりこの本にあるような内容に行き着くのだ。所詮は科学など後付けで、実感に従うなら自明のことは無数にある。深呼吸が心地よい、そういう実感。2021/06/10
esop
59
合掌行気法は正座、合掌、瞑目して行う/反応期にはとにかく冷やさぬこと、反応が終えたら休めること、反応が終わったと言ってすぐに動き出さず、動きたくなってから動き出すことを忘れないで/風邪は病気ではなくて、体の歪みを正す方法/平衡器が悪い場合には片方の目を瞑るか、片方の耳を塞ぎ、体を非重心側に片寄らせてこくだけで無事を保てる/性は勢いである。これを動かすのは気である/治病の原理を潜在生命力の喚起に置き、同時にその背景をなす学説が真に現代の救済につながっている2024/10/08
らぱん
58
1968年(昭和44年)初出。文字通り、身体を整えるための入門書であり、その理論から体操や施術までが書かれている。大まかには、身体や精神に不調を及ぼす原因を「体癖(たいへき)」にあるとしそれを正すことで、不調は整えられ、怪我や病気を防ぎ、性格とみなされるような部分も改善できるという理屈だ。俄かに信じがたい「気」などの語が使われているが、歪みを直し自然治癒力を高めると読み替えたら、不審は減るのではないか。 また実際に試すことができるのだから、それが効いたら理屈に納得できなくても問題は無いと自分は考える。↓2020/01/08
マリリン
50
最低限の検査を受け問題なしと言われたら、自分の身体と向き合う事は大切。不具合がでないと忘れてしまうのが人間の性。今回は眼精疲労抜きのために再読。方法はいくつかあるが試してみても合わない時は意外な場所に問題がある事がある。目の周辺の筋肉をほぐしてもあまり改善されない場合は上頸への刺激で胸椎1.2.3の硬直の処理。確かに胸椎周辺の凝りを感じる。眼精疲労は頭皮・肩・腕・胃・腰の凝りに繋がると実感。脚のだるさにまで及ぶ。忘れていた事を再確認しケアする事で目以外の疲労もとれるとは。ゆったり腹式呼吸の大切さも痛感。2021/05/10
Y2K☮
36
「風邪の効用」と同趣旨。己の身体の機嫌は己で取る。眼精疲労を抜くコツで遠くを見るのは確かに有効。近距離でじっと凝視するから目が疲れて肩も凝る。腰の痛みは猫背と関係している気がする。私の場合、ピンと背筋を伸ばして座禅を組み、1分瞑想するだけでだいぶ違う。左右のバランスも大事。たまに卓球のラケットで素振りするけど、次から左でもやるようにしよう。外から治す対症療法的な西洋医学と内から身体を整える原因療法的な東洋医学。どちらも必要だし盲信しない。「とにかく消毒」の無菌文化に慣れると免疫力が落ちてしまいそうで怖い。2021/05/22