内容説明
オタクとは何か?生まれながらにして、アニメ・漫画文化の洗礼を受け、高度資本主義社会の恩恵に浴しながら、いまひとつ世間との折り合いの悪い連中。オウム真理教の妄想もオタク文化の土壌から生まれたのかもしれない。著者の体験をふまえながら、サブ・カルチャーと日本社会の変動の中で、個人がどう生きているのかを探りだす。オタク文化論の決定版。
目次
第1章 私とハルマゲドン
第2章 みんなこわしてやる!オタク宗教としてのオウム真理教
第3章 オタクは地球を救う?…大泉実成との対話
第4章 神秘と冗談
第5章 十五年後…Xとの対話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yapuppy
4
電話帳の変な名前を探す作業は、私も小学4-5年生の時にした記憶がある。変なものをみつけた時のwkwk感を大事にして生きていれば、日常生活で退屈したり鬱になったりすることはあまりない。物語の本筋ではなく細部の設定を楽しんだり、瑣末で膨大な知識を暗記して悦に入ったりするのは本当に楽しい。自分の周囲に国鉄さんがいなかったのは幸運なのか、不運なのか、ゆっくり考えたい。いや、いたのか。2013/06/05
ヘンリー
3
世間の目を気にせずに、おたく道=「変の道」を歩めれば、自殺したり病気になったりしなくてすみます。しかし、その道も蛇の道ぞ。2010/03/10
澤水月
3
かつて敬愛し後に離反した友人との劇的な邂逅、互いに当時の青さを認めあう場面は感動的。彼らが在籍したアリス出版、群雄社など「自販機本」編集時代の話が無茶苦茶面白い。2009/11/19
hommasusumu
2
面白かった。1964年10月10日東京オリンピック。竹熊4歳。「完全なテレビ世代」ウルトラマン。成婚パレード。鉄腕アトム。怪獣=ハルマゲドン。国鉄鉄民さん。旅人の倫理。芸能山城組。ヒップ。解っている、進んだ。平和主義、原始共産主義。自分はもっとサイバーパンクに近い。ブルーベルベット。上祐「九年間セックスしてません」。お笑い。禅を始める前「山は山であり、川は川である」、禅を始めたら「山は山でなくなり、川は川でなくなる」、禅を終えた後「山は山に戻り、川は川に戻る」。オウムは特殊ではない。私とハルマゲドン。2013/11/02
unterwelt
1
竹熊氏の個人史は面白かったのですが(特に国鉄白虎隊の下りは爆笑もの)、オウム事件の分析はどこか上滑りしているように思えました。オウム事件から年月が経っているせいもあるのでしょうが、一番大きいのはやはり東日本大震災があったからだろうなぁ、と。社会的な事件によって個人のことを語ってしまうという事に時代を感じさせられてしまいました。2016/07/14