内容説明
劇画史上の巨星、梶原一騎。「巨人の星」「あしたのジョー」「空手バカ一代」など、名作の裏側に秘められた、梶原の素顔と壮絶な生涯を、実弟である著者が熱き想いを込めて描き出す。戦後の混乱期とともにあった少年時代、少年マンガ誌の黄金期を支えた作家魂、そして、芸能界、スポーツ界とのかかわりなど、知られざる真実の姿が明かされる。
目次
序章 十点鐘
第1章 雛の季節
第2章 熱い日々
第3章 ブーム前夜
第4章 光と影
第5章 流れのさなかで
第6章 腐蝕の構図
第7章 手錠
第8章 死線
第9章 月よ、おまえは
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gachi_folk
1
昨年の夏ごろ乃木坂駅で著者の真樹日佐夫とすれ違った。凄まじいオーラ。それまではハイアン・グレイシーと出会った時が1番ビビったが、それを軽く越える刺す様なオーラに震えた。そんな事を思い出した。2012/11/08
剣kenn
0
実兄・梶原一騎との思い出をつづった一冊。兄の疾走感あふれる文体とは異なり、むしろ乾いた硬さを感じさせる真樹氏の文体に、兄を失った悲しさが深くにじむ。終章で月を梶原に見立てて真樹が酒を酌み交わす場面は、浮き世のやりきれなさと、真樹の美学をよく伝えてやまない。梶原兄弟に思い入れのある人ならば、苦い読後感とともに、その後も自分の生き方を貫き続けて旅だった著者へ、改めて合掌したい思いにさせられるだろう。2014/01/29