内容説明
「え、『とは』ってえのは、いったいなんです?」「とは、というのは、あとで調べたら千早の本名だった」。でおなじみの「千早振る」をはじめ、「牛ほめ」「首提灯」「粗忽長屋」など知ったかぶり、見当はずれの人々が続々登場。たっぷり笑いの25篇。
目次
うどんや
牛ほめ
弥次郎
寝床
火焔太鼓
首提灯
勘定板
鼠穴
二番煎じ
火事息子〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
73
落語百選・秋編(25話)。今回は、冬は火事が起こりやすいので火事や火の用心、それに年の暮れやお正月などのお話が多かった印象。あと「文七元結」は落語ではなく歌舞伎で知ってた。これを読んでいて、大晦日の日に色んな支払いをまとめてするシステムを子どもの頃に落語か時代劇かで知って、物とお金をその場で交換しないことに驚いたことを思い出した。人情が心に染みるお話とか、思わず笑い声が出てしまうような面白いお話まで色々楽しめて良かった。百選はこれで読了だけど、まだ特選(上・下巻)もあるらしいので、そのうち読もうかな。 2020/12/28
依空
53
落語の基本的な作品100本を四季に分けて刊行したシリーズの「冬」。落語は全く知らないと思っていたけれど、「文七元結」「芝浜」と知っている噺がありました。落語と知らずともどこかで目にしていたんだなと思うと、今は触れる機会の少ない落語が日本文化の中にどれだけ当たり前にあったのかを感じます。読んでも面白い噺、ピンとこない噺もありましたが、寄席ではこれらの面白さをもっと知ることが出来るんだろうな。お気に入りは「掛取万歳」。取り立てをあの手この手で躱していくのが笑えるやら、頭の回転の速さと図太い神経が羨ましいやら。2017/01/24
EnJoeToh
14
冬なので。2015/11/24
Tui
13
脳内再生度の半端なさといえばこれ、活字落語。冬にまつわる25篇を収録したこの本を読むと、こたつで蜜柑むきつつ、な気分にさせられます。そう、高座に足を運ぶのではなく。たとえば実家で、テレビやラジオから流れる落語をのんびり聞く感じ。読み始めの大晦日、かつて年末の風物詩であった借金取りの攻防に思いを馳せ(掛取万歳)、明けた元旦には、ご祝儀噺のぶっ飛んだオメデタさに、ねーよwとツッコミを入れながら日本酒ちびちび(御慶、かつぎや)。そして「芝浜」「千早振る」のさすがな安定感。うぅ、正月休みから抜け出せなくなりそう。2015/01/03
彩
10
読書会課題本。噺家さんがゲストにみえるということで。読むよりやっぱり見て聞いたほうが楽しいなぁ。2017/01/27