ちくま文庫<br> 幻燈辻馬車〈上〉―山田風太郎明治小説全集〈3〉

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ちくま文庫
幻燈辻馬車〈上〉―山田風太郎明治小説全集〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 387p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480033437
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

明治の東京、孫娘を横に乗せ辻馬車を走らせる元会津藩士、干潟干兵衛。この孫娘と祖父は大山巖、三遊亭円朝、坪内逍遥、川上音二郎、自由党壮士らが引きおこす事件に巻き込まれていく―。時代にはじかれてしまった者たちの哀愁。

著者等紹介

山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
大正11(1922)年、兵庫県養父郡関宮町の医家に生れる。昭和24年、「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で第二回探偵作家クラブ賞を受賞。その後「甲賀忍法帖」を初めとする“風太郎忍法”を生みだし、忍法ブームをまきおこす。平成13(2001)年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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KAZOO

92
山田風太郎の明治小説の2作目の「幻燈辻馬車」を読み始めました。この上巻では、孫娘を2頭の年老いた馬にひかせた乗合馬車のわきに乗せて元会津藩士が狂言回しとなって、明治時代の様々な事件に遭遇します。現存した有名な人物が出てきたりしますが、孫娘とその祖父の訳ありな事情(すでに亡くなっている孫娘の父親や祖父の妻が時たま登場します)も気になります。やはり山田風太郎という感じですね。2024/01/30

しんすけ

16
25年ほど前に読んだ本だが、ストーリーに全く記憶が無い。老醜の必然の事態なのだろう。 元会津藩士の干潟千兵衛が、孫娘の雛を御者台に座らせて辻馬車を営んでいる。雛が事件に巻き込まれることもあるが、話の中心はそこにはない。 実際には辻馬車は狂言回しであり、それを利用する人物たちの輪廻が主題のと観える。 三遊亭圓朝。 川上音二郎。 田山花袋。 松の家露八。 坪内逍遥。 嘉納治五郎。 時代背景として明治政権の暴政に対する反発から自由民権運動が活発になった時と重なる。2021/01/03

ken_sakura

12
稗史もの。歴史的に華々しくとも、暗い稗史の夥しい強権の戦前明治時代の東京が舞台。二頭立ての辻馬車(箱馬車)を営む元会津藩士干潟干兵衛(ひがたかんべえ)と幼い孫娘お雛が主人公。お雛に危機が迫ると西南戦争で死んだ父蔵太郎(干兵衛の息子)の幽霊が、父の手に余ると父に呼ばれて死んだ祖母お宵(干兵衛の妻)の幽霊が現れる幽霊モノ。下巻へ(^_^)2017/02/11

きょちょ

12
再読本。元会津藩士干潟干兵衛と孫娘の辻馬車を中心とする様々な物語。干兵衛の子と妻を幽霊で登場させるところは、風太郎らしいユニークな発想。例のごとく当時の有名人が登場。講道館嘉納治五郎と斎藤歓之助の対決が見もの。歓之助はやがて殺されるが、名前は出てこないものの犯人は明らかである。この犯人と下巻でどのように対決するか、忘れてしまったので、下巻が楽しみ。この作品の底辺には、会津藩士たちの悲哀がある。★★★★★2015/04/17

ネムル

11
山風・明治もの2。会津の恨み晴らさでか!とて西南戦争も終わり、自由民権運動の気風が高まる明治15~25年頃の話か。辻馬車の馭者に零落した元会津藩士と客との偶然の邂逅から話が進むのが、都市小説のスタイルを踏襲するようで面白い。会津ー薩摩の関係で話が終息しそうではあるのだが、前半は円朝、坪内逍遙、花袋、川上音二郎にマダム貞奴、そして蘆花と文芸ネタが多いのでツボにはまる。山川捨松を会津と薩摩の蝶番にして、下巻に続く。2020/08/11

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