内容説明
ナヴァール王国(現在のスペイン東北部)の若き王ファーディナンドは、宮廷を学問芸術の華たるアカデミーにしようと決意し、3人の青年貴族とともに女性との交際を絶ち学問に励む誓約を立てる。ところがその直後、フランス王女が3人の美しい侍女を引き連れて外交使節として到着する。4人の若者は4人の美女にそれぞれ恋心を抱くのだが…。小気味よい恋愛劇。
著者等紹介
シェイクスピア,W.[シェイクスピア,W.][Shakespeare,William]
1564‐1616。イギリスの劇作家・詩人。悲劇喜劇史劇をふくむ36編の脚本と154編からなる14行詩(ソネット)を書いた。その作品の言語的豊かさ、演劇的世界観・人間像は現代においてもなお、魅力を放ち続けている
松岡和子[マツオカカズコ]
1942年、旧満州新京生まれ。東京女子大学英文科卒業。東京大学大学院修士課程修了。翻訳家・演劇評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
132
言葉と言葉の応酬。自らが話している言葉に陶酔して大言壮語。言葉尻を捉え突っ込む。素直にとらえず言葉を返す。それぞれの独白も長く、機知に飛んでいる。これらの言葉たちは、本来舞台で語られるもの。文字では興奮を伝えきれないのが、捉えきれないのが少し残念だ。王様と側近の貴族3人。王女と侍女3人。女性たちが身分をこえて、相手から語られた言葉や贈り物を話し合う場面が楽しい。一番の役者はビローンだろう。彼があきれて周りを窘めるように言っていた事が一番的を得ていた。こういう人が一人いるのがキモだな。2022/02/13
KAZOO
88
シェイクスピアの比較的初期の恋愛喜劇だそうです。読んでいると松岡さんがかなり苦労してセリフを訳されているのがよくわかるような気がします。シェイクスピアはモデルをもとにして書くのが常といわれているようですが、彼にしてはこれは自由にかいたということで筆が踊っている感じがします。楽しめました。2015/09/18
ehirano1
78
ストーリー自体はばかばかしくも何故か憎めないというか、むしろそのばかばかしさに惚れ惚れしてしまいますwww言葉遊びが屁理屈を超越してもはや大会レベル!2024/12/31
やいっち
64
22日に読了。前日からのまる一昼夜で読了した……が、言葉遊びが全開で、わけが分からんが何だか夢幻劇に踊らされたみたい。2024/10/22
Gotoran
54
学芸に打ち込むために女生との禁欲を誓ったはずのナヴァール王とその側近達であったが、美しいフランス王女と侍女達を見た途端、王は王女に側近達は侍女達に一目ぼれ、彼等は彼女等に散々からかわれてしまうという恋愛喜劇。掟破りのラヴレターの発覚、奇妙なスペイン人、学校教師、道化達を巻込んでのドタバタ求愛模様が繰り広げられる。アップテンポで小気味良い台詞の数々、熱に浮かされたような言葉遊びの連続に圧倒されたシェイクスピア初期作品を満喫した。韻を踏む原題『Love's Labour's Lost』は流石。2017/12/09
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