ちくま文庫<br> 大正幻影

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ちくま文庫
大正幻影

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  • サイズ 文庫判/ページ数 334p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480032669
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

内容説明

佐藤春夫、永井荷風、谷崎潤一郎、芥川龍之介…隅田川を原風景とし、その水辺を描き続けた作家たち。彼らはなぜそれほどまでに隅田川の風景を必要としたのか。大正文学に共通する幻想性をたどり発見する「幻影の町」。平成三年度サントリー学芸賞受賞。

目次

川を渡って幻影のなかへ
ビーダーマイヤーのささやき
花の感受性
幻影の街
路地裏の散歩者たち
文士が映画と出会うとき
自己分裂という物語
「水の都」のユートピア
支那服を着た少女
異国への憧憬
南方の夢草
廃墟のなかの幻覚
病める名探偵たち
「紙上建築」の世界
神経衰弱と死
「幻影」を求めた大正作家たち

著者等紹介

川本三郎[カワモトサブロウ]
1944年、東京生まれ。東京大学法学部卒。評論家(映画・文学・都市)。『大正幻影』で、サントリー学芸賞受賞。『荷風と東京』(読売文学賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒロミ

44
10年ぶりに再読。やっぱりトリップした。佐藤春夫、永井荷風、谷崎、芥川…彼らが愛した隅田川と大正の東京をめぐるエッセイ。私の座右の書。思えば「高等遊民」という言葉を知ったのも本書でだった。病める薔薇、洋館と探偵、幻影の町…現実とは一枚膜を隔てたようなフレーズが大正の街中の心地良い喧噪へと読む者を誘う。都市社会学をも感じる。大好きな本なためかうまく感想が書けない。個人的には初夏に裸足で畳の上に寝転んで読むか路面電車に揺られて読むのがお勧めだ。一日の終わりに街の音に耳を傾けながら秋の夜長のお供としてもどうぞ。2015/09/03

浅香山三郎

9
海野弘、松本哉の両氏の著書から、積読してゐた本書へ。昭和の戦前期までの文学を巡る道案内をしてくれる本を続けて読む。作家たちの作品も読みたいと思ひながらも、本書のやうに東京といふ町のなかに作品を配置して、時代の精神のやうなものを読み解く手捌きが見事な、かういふ本のほうを愉しんで読んでしまふ。自己分裂といふテーマを、芥川龍之介・谷崎潤一郎・佐藤春夫・永井荷風といつた大正期の作家たちがどう作品化してゐるか、佐藤春夫と建築をテーマにした作品群の関係など、たいへん面白い。何よりも、やはり大正期の東京の都市化↓2023/03/11

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