内容説明
競馬は想像力の競技。馬をとりまく空気の輝き、土の匂いにまで心をかたむけ、レースの展開にみずからの人生をも重ね合わせてみる―きわめて多彩な虫明競馬論の粋。
目次
第1章 馬への恋情
第2章 トラック往来
第3章 馬からちょっと離れますが
第4章 ときには馬から離れますが
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソングライン
14
緻密な能力の評価、レース展開を推理し、パドックで馬の状態を確認後、馬券を購入する。いくら好きな馬でも勝利の確信がなければ馬券はかわない。科学的でスポーツとしての競馬を楽しむ作者の競馬エッセイです。途中挿入される陸上選手人見絹枝の短い人生とプラハでの名声に驚きます。最後に人情馬券に自身をだぶらせる正反対の競馬観を持つ寺山修司との対談も読みごたえがあります。2021/11/16
しんこい
3
競馬エッセイと言いつつ馬やレースのことを描くより競馬場の風景や雰囲気を描いて散文詩みたいな趣もあり。シンザンが走っているのは50年近くも昔といえば、競馬はギャンブルで親父の世界だったのでしょうが、逆にこういう作品を描く場があったのが不思議。2013/11/17