内容説明
「イエスの方舟」という宗教団体の若い女性信者10人が行方不明になったと、ある日の新聞が報じた。教祖による誘拐か。マス・メディアの過剰反応によって、波紋は加速度的に大きく広がってゆく。1980年におこったこの「事件」を足がかりに、宗教・家族・女性・共同体の現在を読み解いていく。20枚の書下し論文「1995年のイエスの方舟」を併せて収録する。
目次
生成論
構造論
女性論
エロス論
漂流論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ステビア
8
某書にてノンフィクションの名著と紹介されていたので読んだが、内容はヤマギシ礼賛にも似たヨタ話で全く評価できなかった。2018/11/13
やいとや
0
最早「むかしむかしのお話しです」という印象が強いイエスの方舟であるが、色々な意味でインパクトが強かった為奇妙に心に蟠っていた為通読。基本姿勢がイエスの方舟及び千石イエスに共感から始まっている為「論」としては体を成していない嫌いもあるが変質した創価、新宗教を致命的に終わらせたオウム、エンタメとしての幸福などと対置すると「故郷喪失した地方人に対しての擬似的共同体」として機能した宗教団体の末期的絵姿、と云える。本文で対置されるのは連赤と統一というマジモンの「悪」であるが、比較すべきはそれらだったのでは?と思う。2018/08/29