ちくま文庫
ロッパの悲食記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 233p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480030696
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

エノケンと並びコメディアンの黄金時代を築き、“声帯模写”のパイオニアともいわれたロッパ。“近頃は、専ら食うことに情熱を傾けている”と自筆略歴に書いているほど食物についてはうるさかった。戦争末期(昭和19年)と戦後33年間の食物日記は、貴重な昭和史の資料とも読める。食物に対する見事なまでの執着心。

目次

1 悲食記(昭和19年の日記抄)
2 食談あれこれ(想い出;氷屋ぞめき;清涼飲料;駄パンその他;うどんのお化け ほか)
3 食日記(昭和三十三年の日記抄)

著者等紹介

古川緑波[フルカワロッパ]
1903‐1961。東京生まれ。早稲田大学英文科中退後、文藝春秋社「映画時代」の編集に携わり、映画・演劇批評の筆をとる。昭和7年喜劇俳優に転身。昭和8年徳川夢声・大辻司郎らと「笑の王国」を結成。同10年には早くも「ロッパ一座」を組み、以後敗戦に至るまでロッパ・エノケンと並称される黄金時代を築いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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いっちゃんず

38
エノケン・ロッパって、知っている人は今どのくらいいるのだろうか?ロッパこと古川緑波さん、もう半世紀以上も前に亡くなられた、喜劇役者として一世を風靡された方の、食に関するエッセイ。題名の「悲食」って言葉、読前は戦時中の苦労話を想像していた。読後、作者は「悲」という文字で、己の食欲に対する業を表したのではないかと思った。なぜってこの作者、昭和19年の太平洋戦争敗戦直前に、ものすごく「おいしいもの」ばかり食べようとしているから。それはもう、執念。だから、時を経ても、読んでいるこちらも食欲をそそられる。2015/10/16

ヨーイチ

35
ロッパの日記って読み切れない程残っているらしい。今回は青空文化で読了というかダラダラ読みで終了。戦前の喜劇王、良い所の生まれなので、毎日「良い物」を食べ歩きしている。この人は洋食好きで今日では珍しくも無い物に舌なめずりしながら批評も忘れない。舌が肥えてるのだろう。表題の「悲食」は主に戦後・店が変わり、境遇が変わっても「食いしん坊」を貫きながら、己を自嘲的に分析している。芸能史としても読める。2021/05/06

Naoto Ono

11
コメディアンであり食通の古川緑波が、昭和十九年という戦争真っ只中に、ひたすら何を食べたかを書き綴っている日記が中心の本。戦争中でもこんなに食べれる人は食べれたんだなとまず驚きがあった。段々、一般の人は辛い思いしてただろうにお前だけ食いすぎだろという怒りが募り、最後は、ここまで食への思いが異様である緑波さんにとっては本当に辛い時代だったんだろうなと思った。戦争中の記録としてもかなり貴重ではないか。今でも残る名店が昔はどんな扱いだったかもしれて色々と興味深い内容だった。2019/07/24

MASA123

9
古川緑波は古い日本映画でしか知らないのですが、こんなに、食にこだわった人だったとは、おどろきです。 北大路魯山人の芸術、ロッシーニの創造、東海林さだおの好奇心、小泉武夫の挑戦、と言葉をあてはめてみたら、緑波さんは何だろうと本を読みながら考えていたけど、グルメの幅が大きくて言葉がみつからない。超高級な食べ物から下衆なものまで、すべてを知りつくしている。雲丹で酒を飲むより、オムレツで飲め、というのは慧眼。 本書の戦前の食日記とかは庶民生活とは雲泥の差で、同時代を生きた一般人がこの本を読んだら怒るだろうな。2021/09/19

ワラスボン

5
昭和19年、喜劇俳優による戦争末期の食事日記。美食を求めて食うわ飲むわ、酒にすき焼き、カレーに豚カツ。菜っぱばかり食べている家族に侘びつつ、美味いものがないと生きててもつまらない!と嘆く。食糧難の時代に、凄まじき食への執着。貴重な歴史資料でもある。2020/07/14

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