感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
233
水木しげる先生の奇譚噺集全11編の中で今回は少しエロチックな2編を紹介しますね。『わが退魔戦記』ある日、絵草紙で有名な水又屋に非常にすぐれたアシスタントが舞い込んできました。主人は今度来た女の手伝いは5倍くらい仕事するぞ、なんて上玉が入って来たもんだろうと喜びました。だが男のアシスタント達は吸子(すいこ)とデートしては元気がなくなり家で寝込むようになる。一方で吸子は何やら赤い水を飲んで一人元気ハツラツなのだ。先生は長年「妖怪もの」で飯を食ってきているのでハッとし、もしや吸血鬼ではと怪しみ霊媒の家を訪ねた。2022/03/31
おーすが
13
人間は身長1センチですら自分で伸ばせない。宇宙卵、くそ男、徐福秘伝。「ベーレンホイターの女」もとても良かった。2020/07/18
とんかつラバー
11
「ベーレンホイターの女」財を失った男が家族のために莫大な報酬と引き換えに宇宙に行く改造手術を受ける。女の体のほうが良いというので生殖器を変えられ、1000年動く心臓を取り付けられ、口は封印されものは言えず頭の発光器で会話する。異形の姿となり最後に家族に会っても拒絶され、宇宙に送り出される。水木しげる作品の中でも異色の作品だが、最高傑作との声も高い。「南からの招き」は兵役時代に南方で過ごした体験が強く感じられる2023/12/18
尾白
6
『ベーレンホイターの女』が切なすぎる、『宇宙卵』は飄々とあちらこちらに飛び回って、真理を求める父と子が良い2022/12/05
ほわ
3
ベーレンホイターの女の終わりの1ページが印象的。「人々は崇高な“たくらみごと”のように興奮して、ロケットを宇宙に放つがいったいそこには何があるだろう。それはかの太古の人が天に登ろうとして作ったバベルの塔のように“巨大な無意味”として後世に残るだろう」こうした未来を予言するような達観した思考が所々に見られる水木作品は本当素晴らしい!(おなら神とかクソ男の話とかちょっとくだらなさのあるやつもなかなかツボるけどw)2023/01/25