出版社内容情報
「妖怪獣」「夜叉」「毛羽毛現」「峠の妖怪」「電気妖怪」「海座頭」「白山坊」「おどろおどろ」「ダイヤモンド妖怪」「鏡合戦」「朝鮮魔法」
【解説: とり・みき 】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tomi
28
この巻は長篇「妖怪獣」を中心に収録。このシリーズは言わずと知れた妖怪漫画だが、読んでみると怪獣が登場する話も多い(解説のとり・みきによると当時の怪獣ブームの影響があるようです)。「妖怪獣」は国家を乗っ取ろうとする妖怪との壮大なバトル。総理大臣(明らかに佐藤栄作がモデル)も巻き込み、出現した巨大怪獣に米軍がミサイルを撃ち込んだり、水爆を落としたり何でもありな展開。鬼太郎が溶かされたり散々な目に遭いながら辛くも勝つものの、報われない苦い結末。ただやはり短篇のほうが良い出来。2021/11/04
忽那惟次郎8世
7
妖怪八百八狸が佐藤栄作似の総理大臣に政権移譲を要求する、しかも平和的に移譲するように要求する。(全然平和じゃないだろ) 鬼太郎の助言で総理はそれを承諾するが そんな権限が日本の総理大臣にあるのか?第二の月がミサイル攻撃で東京湾に落ちる それでも東京に全く被害がない 月ほどの天体衝突があれば地球滅亡のはずだが・・・アメリカは内政問題?として手を出さない 日米安保条約はどうなったのだろう 首相が個人的に?ジョンソン大統領に応援を頼み米軍が妖怪退治軍隊を出す。憲法改正もしてないのに狸の政権が独裁政治を行っている2021/07/05
T.Y.
6
八百八狸が蛟龍と大ナマズを率いて日本を征服する長編「妖怪獣」を収録の巻。活躍した鬼太郎に対し冷たい世間というオチが皮肉で悲しい。初出一覧がないのがネックだが内容だけ見ても時期の違いが感じられるものも。時には伝承に則り、時には科学者が実験で妖怪に変異したとか自在な設定を付ける感覚がお見事。そして最後の「朝鮮魔法」、ぬっぺらぼうと始皇帝が求めた不老不死の薬を結び付けるネタが、後に京極夏彦の『塗仏の宴』にまで受け継がれていることに驚き。2015/03/17
袖崎いたる
5
水木しげるさんは鬼太郎の物語を考えるのに、もしかしたら、如何にすれば鬼太郎は死んでくれるだろうかという意地悪な期待によって作っているのかもしれない。物語の鉄則みたいなものとして起承転結、あるいは序破急があるが(それに敢えて反抗する反物語なんてものもあるけれど)、そのどれにもピンチがある。水木さんはこのピンチを、鬼太郎の身体性に常識的には死んでいるだろうといったような展開を与えるのである。で、読者は「どうすんじゃこりゃ」とびっくりするのだけれど、そこは「妖怪だから、大丈夫」という妖道展開を持ってくるわけだ。2015/06/06
よしだ
5
再読再々読再々々読?水木しげる作品は何回読み返してもオモチロイです。2011/08/30
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