内容説明
「…しかし、ダメだった…コカインは燐光をはなって、鬼火のように、ぼくの眼をするどく刺したのだ」。コカイン、モルヒネ、クロラール等、15年にも及ぶ乱用の日々。ある時は陶酔の海に身を任せ、またある時は禁断症状の地獄めぐり。そして、ついに生還。著者は、麻薬耽溺を赤裸々に告白し、読者をして、麻薬の持つ圧倒的な力の前にひざまずかせる。麻薬曼陀羅。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
5
これはスゴイ本です。著者はフランス文学者で平野レミさんの父だったりする人ですが、早稲田在学中に鼻づまりに効くと友人からコカイン1回分を貰ったら強烈に効いてしまい、いきなり文書偽造してコカイン入手等々の薬中一筋15年の記録な訳です。何せ詩人で頭もいい人なので、皮下注射と鼻腔摂取の効果の違いや、抱水クロラールの経口摂取方法の具体的さやトリップ描写のウゲゲなところが素晴らしく、凄く良い人だった最初の嫁の健気さやそれを欺く家庭崩壊の具合、次々死んでゆくコカイン仲間や失踪した薬中彼女などは文学風味。薬ダメ絶対!2014/10/24
月華
3
図書館 閉架書庫から出して頂きました。1975年刊行。1994年文庫発行。旦那さんが麻薬に溺れている間も、奥さんは6人の子どもと生活していかなければいけないということを、考えたことはあったのかと思いました。2019/07/24
かつら
2
うわぁ、なかなか面白かった。女の手について分かる気もする。もう、表現の仕方が流石というか………鳥となって空中をとんでいくのよ2013/10/11
ゆかりん
0
何と言うか、大変な人生だったんだなぁとは 思うけど、最初の奥さんと子供達が とても、可愛いそう過ぎるわ。 レミさんはとても、幸せで良かったけど。 そう簡単には、薬からは、逃れられないって ことなんですね。 感想とは、違うけど もう売られてない本だったので 古本の文庫本で、かなりのお高い本でした。2024/08/11
8
0
3回目 2021/01/06