内容説明
ブッシュマンが教えてくれること。風を感じる。そして、風と対話する。彼らの瞳は、見えない世界をたしかに見つめているのだ。
目次
第１章 消えうせた人々
第２章 滅亡の経過
第３章 わが誓いと手探りの年月
第４章 突破作戦
第５章 間に射す影
第６章 北からの接近
第７章 失望の沼地
第８章 「すべり山」の精霊
第９章 泉の猟人
第１０章 雨の歌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koichiro Minematsu
32
本著はカラハリに住むブッシュマンに対する興味深い冒険文に終わらない。筆者の幼年時代にさかのぼった視点でみたブッシュマンの生活や自分の家族との関わりについても書かれており、カラハリの時間や空間も感じられるものとなっている。一番に感じたのは原始的↔️文明的という対極に囚われがちな世界だが、筆者の観点は同等の価値におき、共存としていると考えているところが、今の現代においても読めるところだと思う。2019/07/17
ちあき
3
ブッシュマン（サン族）との接触に成功し別れに至る第9章・第10章は感動的だが、未知の種族との出会いを夢見つづけた作者がその精神の遍歴を記した部分、実際に探索隊を組織するまでと道中の困難を淡々と記述していく部分も引きこまれる。アフリカに興味をもったことのある人なら一度は手にすべき。記録文学の金字塔。2008/12/26
