出版社内容情報
はるか昔に思える明治も江戸も、今の日本と地つづきなのです。江戸・明治を描き続けた杉浦日向子が案内する ニッポン開化事情。
【解説: 中島梓/林丈二 】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinupon
82
舞台は江戸で、情緒たっぷりと描けていますが、現代にも通じるころも沢山あります。2017/08/14
ムッネニーク
73
146冊目『ニッポニア・ニッポン』(杉浦日向子 著、1991年7月、筑摩書房) 1984年11月に刊行された短編集の文庫版。江戸ものの作品だけでなく、明治時代を題材にしたものや周防や遠江、会津などの地方を舞台にしたものまで、タイトル通り「ニッポン」を描いた作品が揃う。死を扱った話も多いが、どの作品も皆全て風通しがよく、読後感は爽やか。中でも「馬風先生」が活躍する3篇は、このシリーズだけで1冊の本にして欲しいほどに気に入った。おかつが本当に魅力的…。 〈八十両の夢 とっくりと 見いした!〉2024/12/05
小梅
63
杉浦日向子さんの絵はやっぱり優しいなぁ〜大好きです。2014/05/06
こばまり
54
おっとりしていて、でも時代の急流はすぐそこまで来ていて。これまで氏のエッセイは多く手に取ってきたが、何故か未読であった。今後何度も読み返すだろう。中島梓氏の解説が言い得て妙。2024/02/26
かっぱ
40
【図書館】巻頭を飾る「殺生」は血が赤で刷られていてハッとする。白黒世界に突如として現れた色彩に驚く。「鏡斎まいる」のみ「YASUJI東京」にも収録されていたので既読でしたが、秀作ぞろい。「前夜」で留学する友と夜桜の下、河原で話していると、屋形船から聴こえてきた唄に会話を止めて耳を傾ける場面がなんともいい感じ。解説の中島梓さんの「彼女(日向子さん)は亡霊とともにある『昨日の巫女』である」に納得。林丈二さんの解説もあり、こちらは「路上観察学会」での日向子さんエピソード。2017/01/29