ちくま文庫<br> わが愛、わがアメリカ

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ちくま文庫
わが愛、わがアメリカ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 340p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480025128
  • NDC分類 289
  • Cコード C0195

内容説明

1926年、自由と自立を求めて渡ったアメリカ。そこにはやがて大きな歴史のうねりがおしよせることになる。大恐慌下での貧しい生活、スメドレーやパール・バックらとの交流と反戦運動、そしてマッカーシズムによる国外退去。時代の波をもろに受け、それに立ち向かう支えとなったのは、夫・栄太郎と友人たちの力強い愛だった。歴史上の主要な出来事にいあわせた著者による“生きた証言”。

目次

序 記憶の中の風景
1 早稲田南町時代―母の死
2 失われた栄華
3 自由を求める青春像
4 青柳優を残して
5 栄太郎とのめぐり逢い
6 十日間の幼い命
7 ロスアンジェルスでの半年
8 ニューヨークで聞く大戦の足音
9 日米開戦の中で
10 祖国への反戦ビラ
11 みどりの丘(グリーン・ヒル)のパール・バック
12 アグネス・スメドレーへの思い
13 変貌するアメリカと深まる望郷
14 栄太郎の思い出と共に

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とんこつ

5
明治に生まれた著者は、デモクラシーの光と軍国主義の影が入り交じる大正時代に多感な青春時代を過ごし、その後はアメリカに渡り、日本が戦争に突き進むなか、アメリカの地で反戦運動に従事していく。関東大震災と朝鮮人差別、治安維持法と思想統制、日米開戦と当時の在米日本人の様子、戦時から戦後にかけてのアメリカ社会の変遷、原爆投下時のアメリカの反応など、臨場感を伴って伝わってくる。本書ではないが、著者の満州事変の遠因のひとつに1929年の世界恐慌を直感したのも、当時のアメリカを肌感覚で知っているからこそだと感じた。2019/10/30

岸野令子

2
明治生まれで、1930年代にアメリカ合衆国に行き、日中戦争に反対の声をあげ、戦後、マッカーシズムの嵐の中で帰国した石垣綾子さんの自伝。時代に逆らっても自分の正義を貫いた綾子さん。ヒューマニズム、民主主義、フェミニズム、合衆国から学んだものは大きかったけど、政治が瞬く間に変節していく恐ろしさも体験した。栄太郎との支え合う愛が強かったが、決してもたれてしまわなかったので、彼の死後も、ひとりで生き抜いた。すばらしい女性の先達は、私に勇気を与えてくれる。2013/06/18

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