内容説明
日本海の潮の香に包まれた山陰・北陸一帯を舞台に、語り部と聴き手によって育くまれてきた、一寸法師や山椒太夫を主人公とする説経・祭文・浄瑠璃など、民間文芸の変遷の跡を明らかにする『物語と語り物』。俳諧や戯作、滑稽譚など、日本の文芸に深く浸透していた笑いの起源を探る『笑の本願』。かつて人生の潤滑油として大きな役割を担っていたウソや鳥滸(オコ)の文芸の零落を嘆き、悪の効用を説く『不幸なる芸術』。ほかに「東北文学の研究」など、諷刺精神と文明論的洞察に溢れた名篇を収録。
目次
物語と語り物
笑の本願
不幸なる芸術
東北文学の研究
世間話の研究
御伽噺と伽
童話小考
昔話を愛する人に
昔話のこと
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
iwasabi47
2
『笑の本願』『不幸なる芸術』など。 『不幸~』はウソ・法螺・与太の話。ハヴロックやオングの口承を考え合わせながら読んだ。前にも書いたが、柳田の鋭い指摘が多々あるが、落穂広いが辛い。2021/06/28
Soma Oishi
0
柳田国男全集を読み始めて純文学とは何ぞやと考え始めた。 口碑や伝説、昔話・・・・文学というものはやはり文なのかな?文とは文字で書かれたものでしかないのかな?そういった根本的疑問が社会主義という自然状態の回復を誘引している。これは哲学だ。僕は哲学とはそういった社会主義の回復と反復であり世界宗教というものだろうと思っている。そして文学とは哲学でなければ存在価値はない。そういった文学を柳田国男さんは指摘している。それは純粋な文学という意味で純文学である。一般的な純文学とは同じだか違うのだかしらない。芥川賞は2014/08/06