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TERU’S本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
憲法記念日そっくりおじさん・寺9条
85
二十代の頃、坂口安吾の『堕落論』を読み、何となくカッコイイ気がして安吾を何冊か読んで多少の心酔をしていた。のちに杉森久英『小説・坂口安吾』を読み、何と言う目茶苦茶な人だろうと少なからずイメージダウンした。その安吾の目茶苦茶を目の当たりにしていた妻・三千代さんの回想本が本書だ。お手伝いさんがいたとは言え、こんな目茶苦茶な人によく仕えたとしか言い様が無い。三千代さんも前の旦那さんとの間にできた子供を実家に預けて嫁いだ人なので、なかなか衝動的な面はあるのだろう。文章は読み易く明解。面白かった。2014/06/06
takaC
84
肝心の安吾の作品を読んだこともないのに何故その奥さんの手記など買っていたのか我ながら不思議に思いながら読んだが、ビブリアで栞子ちゃんが触れていたんだね。(読後に皆のレビューを見てて知った)2016/07/31
カムイ
57
この作品、ある本で知るのであるが、夫婦の在りかたは様々ある、坂口安吾作品は【堕落論】しか読んでいませんが他の作品も読んでみようかと、三千代の視線からの安吾は惨憺なる言われ方であるがそれは良いこと言っても嘘くそさに彩られてしまうのだろ、昭和の文壇バーをすこし覗けたのはめっけもんでした、題名の【クラクラ日記】の意味が読んでみてわかった、そら眩暈すらするわけであるわなぁ😅2024/03/31
メタボン
45
☆☆☆☆ 「彼自身、イラだちの塊りのようでもあり、彼の身体の中にイラだちが群がり集ってそれを懸命に一つの肉体をの中へ抑えつけ、外側に発散するのを防いでいるといったふうだった。」カタカナ混じりの平明な文体だが、強く惹きつけるものがある。ビブリア古書堂で出てきた本で気になっており以前から読みたかった本。改めて坂口安吾のすさまじい私生活を垣間見るとともに、妻三千代氏のある意味「豪胆さ」に触れられて面白かった。2017/05/29
gtn
41
何が"無頼派"かと思う。善意の人、中でも妻に頼り切って生きた。豪放磊落に見せて、繊細、更に言えば神経過敏だった。だからこそ、アドルム中毒となり、狂乱状態となり、妻を自死寸前まで追い込んだ。妻は、夫坂口安吾が脳出血で突然死するまでを描き、本書を終えているが、それまでの二日間、妻子に示した優しさは何だろう。小説家らしい人生のエピローグではある。2022/11/06
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