内容説明
その昔、文楽が『明烏』を高座にかけると、売店の甘納豆がよく売れた。噺のなかで甘納豆を食べる迫真の芸に、ついお客がつりこまれて―という話がある。八代目桂文楽は演題のすべてが「十八番」だった。どれも、言葉のはしばしまで一字一句ゆるがせにできぬほど磨きぬかれ、完成された一席。それを、完璧な落語芸で演じてみせた。古典落語が行きついた一つの到達点というべき、文楽落語十八番集の一冊。
目次
明烏
松山鏡
心眼
鰻の幇間
船徳
富久
酢豆腐
厩火事
よかちょろ
素人鰻
寝床
つるつる
厄払い
景清
馬のす
干物箱
愛宕山
星野屋
王子の幇間
夢の酒
花瓶
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっきー
14
✴2 落語はほとんど聞いた覚えがない、いつかは行ってみたいと思い4冊ほど落語の本を積読してある、この本については面白さが今一つ理解できなかった2020/05/17
Gen Kato
1
再読。ホントはDVD集が欲しいんですが経済的理由で買えないのでこちらを読み返しては飢えをしのいでおります。文楽師匠の噺はしぼり込まれ練り上げられた演目ぞろいなのでハズレなし。『明烏』『寝床』などの名作はもちろん、私は『夢の酒』がお気に入り(若いおかみさんがカワイイ)。2015/02/17
小心
0
明治大正時代の世俗を伺うことができます。収録されている約20本の噺は、それぞれ本文の前に時代背景や用語の解説が載っているので大変助かります。先人の作ったストーリーを文楽師匠が練りあげて完成したそうで、名作揃いですね。登場人物の会話が面白くて引き込まれます。2014/05/12
小夜
0
面白かった〜!その時代ならではの景色が感じられました。落語は聴きに行ったことがないので、今度はお出掛けしてみたいなと思いました。それにしても構成力が素晴らしい。無駄のない喋りです〜☆2012/04/19