ちくま文庫<br> 方丈記私記

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方丈記私記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 265p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480022639
  • NDC分類 914.42
  • Cコード C0195

内容説明

1945年3月、東京大空襲のただなかにあって、著者は「方丈記」を痛切に再発見した。無常感という舌に甘い言葉とともに想起されがちな鴨長明像はくずれ去り、言語に絶する大乱世を、酷薄なまでにリアリスティックに見すえて生きぬいた一人の男が見えてくる。著者自身の戦中体験を長明のそれに重ね、「方丈記」の世界をあざやかに浮彫りにするとともに、今日なお私たちをその深部で把えて放さぬ伝統主義的日本文化を鋭く批判する名著。毎日出版文化賞受賞。

目次

1 その中の人、現し心あらむや
2 世の乱るゝ瑞相とか
3 羽なければ、空をも飛ぶべからず
4 古京はすでに荒れて、新都はいまだ成らず
5 風のけしきにつひにまけぬる
6 あはれ無益の事かな
7 世にしたがへば、身くるし
8 世中にある人と栖と
9 夫、三界は只心ひとつなり
10 阿弥陀仏、両三遍申してやみぬ

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

113
東京大空襲の焼け跡で、方丈記を読む。なぜこの国は、こんなことになってしまったのか。いっけん政治とは無縁におもえるこの書物を、強引に政治へひきよせてみたら、見えてきたのは、本歌取りの精神。現実を見ようとせず、フィクションのことばでフィクションを語り、それをひたすら純化していく。文化も政治も本歌取りの日本人の業は深い。そのサイクルを脱け出して、圧倒的な現実のもとに生きた鴨長明こそは、個人主義の究極の体現者なのかもしれない。平安の末法から昭和の戦争をくぐって、平成のいま、日本人とはなにかを考えるための一冊。2017/11/06

やいっち

84
座右の書の一冊。先の15年戦争の悲惨な結末。東京にしろ富山などの地方にしろ焼夷弾などで焼き尽くされた。あるいは沖縄は地上戦が戦わされたたけにもっと悲惨だったろう。なのに、終戦直後の日本人は負けてすみませんと天皇に詫びる。天皇はというと、終戦直後には、天皇制の維持に汲々としている。国民の困窮、まして中国や朝鮮への懺悔の気持ちの欠片も示さなかった。2020/05/08

keroppi

78
「堀田善衛を読む」を読んだら、書棚に置いていたこの本に目が止まった。いつ読んだ本だったのだろう。今、このコロナ禍の渦中で、しかも、定年退職し外出自粛という状況で読んでいると、新たに感じるものがある。古典である「方丈記」を解釈でなく、自分の経験として語る。そんな古典への接し方にまず驚く。様々な災厄や、芸術論や、天皇制まで、自分の事として論じた鴨長明をさらに自分の事として論じる堀田善衛。今、世を見渡すと、あまりに人事として語る人が多いことか。私自身、この本に刺激を受けながら、人を社会を見つめていきたい。2020/05/22

やいっち

54
鴨長明が書いたこともだが(藤原定家の極端なほどに抽象性な歌法とか…源氏物語の圧倒的存在感)、書かなかったことこそ面白いとか。木曽義仲が一時期京都乱入支配したこと、地獄草紙や餓鬼草紙が同時リアルだったこと。更に親鸞の存在感の高まりなど。平安貴族がジリ貧になり武士が台頭する世相の大転換。…それはともかく、改めて再読してよかった。2025/02/26

Major

46
タモリのキャッチコピー「新しい戦前」という言葉が巷で話題になったほどに、平和の危うさが忍び寄る現在(いま)こそ読まれるべき名著である。自身の戦中戦後の体験を方丈記の記述に重ね合わせて綴ったものだが、「歴史は(重層的に)くり返す」という自身の文学的テーゼが全編を貫く。心に響くのは「歴史に直接立ち入って観る」という著者の言葉である。これはコントの実証主義にも繋がる。歴史の事実に立入ることに執念を燃やし、事実を超えて真実に迫ろうとした現代の作家は、僕の中では堀田さんと、『ああ野麦峠』の山本茂実さんだけである。 2025/04/15

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