出版社内容情報
昭和10年発表の「もの思う葦」より死の直前の「如是我聞」に至る一切の随想、アフォリズムを収める。他に無名時代の秀作「断崖の錯覚」を初収録。
「生きて行く力―いやになってしまった活動写真を、おしまいまで、見ている勇気。」昭和10年発表の「もの思う葦」より死の直前の「如是我聞」にいたる一切のエッセイ、アフォリズムを収録する。
目次
田舎者
魚服記に就て
〔小説〕断崖の錯覚
もの思う葦
川端康成へ
人物に就いて
音に就いて
檀君の近業について
「晩年」に就いて
一日の労苦
心の王者
弱者の糧
青森
「晩年」と「女生徒」
小照
わが愛好する言葉
津軽地方とチエホフ
織田君の死
かくめい
小説の面白さ〔ほか〕
内容説明
「生きて行く力―いやになってしまった活動写真を、おしまいまで、見ている勇気。」昭和10年発表の「もの思う葦」より死の直前の「如是我聞」にいたる一切のエッセイ、アフォリズムを収録する。
目次
田舎者
魚服記に就て
〔小説〕断崖の錯覚
もの思う葦
川端康成へ
人物に就いて
音に就いて
檀君の近業について
「晩年」に就いて
一日の労苦
心の王者
弱者の糧
青森
「晩年」と「女生徒」
小照
わが愛好する言葉
津軽地方とチエホフ
織田君の死
かくめい
小説の面白さ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
69
面白かったです。太宰の小説以外の文集がおさめられています。それらの一切の随筆からは太宰の本音が聞こえてくるようでした。全集の最終巻にこのような文章を読むのには意味があるのでしょう。太宰治という作家がよく分かります。 2020/05/15
優希
52
太宰の小説以外の文章になります。それらアフォリズムや随想から、太宰の本音が聞こえてくるような気がします。「太宰治」という作家がよく分かります。2023/04/30
ころこ
42
最終巻に小説と戯曲以外のエッセイが集められている。太宰といえば一人称で私小説が印象に残っている読者からすると、エッセイはより太宰の語りに近づくのではないかと期待する。ところが、私=太宰の文章は意外にも読者の現前には迫ってこない。内容もそこまで興味を引かない、というのが印象ではないか。いかに小説の設定に腐心していたかにこの段階になって気付く。2023/05/08
H2A
13
どうせ全集を読むなら、この巻が最後でない方がいい。そのように思ったので10巻を読む。『断崖の錯覚』は著者自ら否定した「推理小説」。読んだ限りではそんなに酷い出来だとは思えない。むしろその後に続くエッセイ、短文の類いが玉石混交で適当に書き散らして、しかも言い訳がましいものも多い気がする。最後の『如是我聞』は文壇の老人たちを批判したもので、ここでは必死の形相が目に浮かぶ。その舌鋒は痛烈というよりむしろ痛々しい。無頼派と言われる作家もここでは庇護を求めて叫ぶ子供のようだ。その対象が志賀直哉、なんだね。2017/10/31
由萌
7
微かな声、一つの約束がすごく好きだった。如是我聞も所々の言葉が胸に響くというか強烈な印象があった。面白かった。2018/01/08