内容説明
発掘されたシカ角製の大きな縄文バリ―こんなハリでと思いながら釣りをしたら、意外や、魚がどんどん食いついてきた。縄文漁具のみごとな美しさ、またその驚くべき機能と効果。丹念な実験でその製法の秘密を解き明かしつつ、縄文人のくらしの知恵と創造の世界を再現するフィールド・レポート。
目次
1 漁具の研究(縄文針でアイナメを釣った開高さん;漁具研究の始まり;縄文時代の釣り針;縄文時代の突具;単装とノの字形固定モリ;鹿角製湾曲刺具;組合せ式固定モリ;離頭モリ;縄文時間の製網具)
2 生活実験(堅見住居と生活;実験の準備;縄文生活の再現)
3 縄文人の暮し(縄文人と火;縄文土器;縄文人の経済交流;縄文人の植物食)
4 縄文人の知恵(狩りと漁の技術;石斧の威力と使い方;縄文人の漆技術;縄文人とコメ)
感想・レビュー
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謡子
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家にあったので読んでみた。考える、学ぶ、ということについて学べる良本。今ではもう縄文時代から稲作してたと通説になっているけれども1980年当時はまだまだ縄文時代は原始人的扱いだったのかな。でも本文では稲作やってたはず、二階建てにも住んでたはず、発酵調味料だってあったかも…と鼻息あらくおっしゃっていて面白いし、肉ばかり食べてると米ー! 野菜ー! ってなるのも現実味があってすごくわかりやすかった。遺跡、ダムに沈んじゃったのかなあ…とかもあったが、文庫版あとがきの妻愛にほろりとした。貝塚再発見。2022/07/21