ちくま文庫<br> 安曇野〈第2部〉

ちくま文庫
安曇野〈第2部〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 569p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480021328
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

信州安曇野に結ばれた相馬愛蔵・黒光夫妻、木下尚江、井口喜源治、荻原守衛ほか、平民社、パンの会などの多彩な登場人物によって織りなされる壮大なドラマを、きわめて多面的な角度から展開し、揺れ動く明治40年代の姿を鋭く把えた力作。苦悶と相剋のうちに鮮烈な生涯を閉じた天才彫刻家、碌山荻原守衛の死までを描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ソングライン

9
東京新宿にパン屋(中村屋)を移転し、順調に事業を成功させる愛蔵と良(黒光)の夫婦、しかし安曇野で養蚕業も営む愛蔵に愛人問題が起こります。キリスト教信仰と社会運動という相容れぬ問題に悩む尚江は政治活動から身を引き伊香保に隠遁します。アメリカ、フランス留学から帰国しロダンとエジプト芸術に感化された守衛(碌山)は帰国後、奈良の仏像に興味惹かれ次々と傑作を発表しますが、良への思慕を募らせ次第に疲弊していきます。碌山の真直ぐな思いが切なく涙する第2部です。2024/01/24

4
木下尚江と荻原碌山に焦点を当てた第二部。碌山の死は、おそらく本作全体を通じてのハイライトの一つだろう。若き守衛少年の黒光への憧憬と圧し殺してきた恋慕は相馬愛蔵の不倫発覚によってたちまち炎と燃え上がり、ついには彼の身を焼き尽くしてしまった。黒光と出会ってさえいなければその早すぎる死は無かったに違いないのだが、同時に彫刻家碌山が生まれることもまた無かったに違いない。日露戦争の勝利、伊藤博文の暗殺、幸徳事件といった激動のうちに、明治という時代が終わろうとしている。2024/11/03

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