著者等紹介
ソポクレス[ソポクレス]
496B.C.~406B.C.アイスキュロス、エウリピデスとならんだギリシア三大悲劇詩人の一人。アイスキュロスに30年おくれてアテナイ郊外に生まれた。父は富裕な騎士階級の人であった。きわめて多作の人で、生涯に123の劇を作ったと伝えられる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ずっきん
72
アイアスが読みたくて。したらば超苦手な戯曲だった。まあ、よく考えりゃわかるだろうけど、恋は盲目と申しますゆえ、大アイアース愛でなんとか読み切る。ところが、アイアス、おま、ちょ……面倒くさいヤツだな。やっぱ戯曲はわたしにはちょっと厳しい。というか動機が不純すぎる選書だわ、ごめん。ということで「アイアス」と「オイディプス王」のみ。しかし、子供の頃はワクワク大好きだったオデュッセウスがどんどん鼻につくように。でも読むけどね「オデュッセイア」2022/06/02
syaori
65
ソポクレスの全伝存作品を収録。彼の悲劇は「善いこと」を志向して生ずるもので、『トラキスの女たち』のデイアネイラは夫への愛のため、『アンティゴネ』のクレオンは正なる法を守ることに固執して悲劇を招く。この頂点に立つのが『オイディプス王』で、彼は自身に下った罪の予言の成就を避けるため、また自らの疑惑を晴らすためあらゆる可能性を求め、しかしその運命の前に引き据えられる。そんな劇が胸を打つのは、それが運命に翻弄される人間の弱さと愚かさのドラマであり、同時に彼らの正義(善)への思いのための悲劇だからなのだと思います。2021/09/06
マウリツィウス
26
【デルフォイ神託】新約聖書対照化概念において旧約聖書化された古典ギリシャ文献を再検証するのであれば、この書物における戯曲遊戯性は否定されるべきだろう。古典ギリシャ語の構成した聖書構成要素=新約聖書構成論との対照合致性を再生するのであれば、「古典ユダヤ経典」定義との明確化は適合可能となってくる。古典ギリシャ記録に基づいた存在立場とは「新約文明」のみならず外典セクトすら敵視する意味でグノーシス以降の系譜をも断絶不許可と定義する。古典/ギリシャを定義した境界線否定論こそこの正体でもあり《真実》を賭する重要記録。2013/07/15
こうすけ
22
現存するソポクレスの悲劇7編。『オイディプス王』『アンティゴネ』は読んだことがあるのでそれ以外に注目。エウリピデスの悲劇集と比べて翻訳が合わない感じが若干あったが、『ピロクテテス』がとても面白かった。シェイクスピアの『テンペスト』の元ネタではないかと思える内容と、キャラクターたちの複雑な心情を描いている。オデュッセウスが嫌なやつだったり、ヘラクレス=デウスエクスマキナという展開が◎2021/02/02
マウリツィウス
21
ソフォクレスとはオイディプス王の生みの親にしてイスカリオテのユダ、すなわち新約聖書批判を兼ねた悲劇。何故ならば「13」の数字記号をホメロス以前に再現する「十二柱」にオイディプスを加算可能だからだ。シェイクスピアがカトリック化身ならばソフォクレスは統一的オリュンポス神、ゼウスとテオスの対峙がこのギリシャ英雄の構図足り得る。新約聖書のギリシャ文明に打ち克つ神話ギリシャの最大手段こそが「オイディプス」。十二使徒を葬り去る力を神々の恩寵とした。文明価値が本来併せ持つ究極様式美が叙事詩悲劇空間を形成し終末を告げる。2013/06/04
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- 孤独な放火魔 文春文庫