出版社内容情報
「蜘蛛となめくぢと狸」「双子の星」「貝の火」「いてふの実」「よだかの星」「さるのこしかけ」「カイロ団長」他22篇収録。
【解説: 天沢退二郎 】
目次
蜘蛛となめくぢと狸
双子の星
貝の火
いてふの実
よだかの星
さるのこしかけ
種山ヶ原
めくらぶだうと虹
気のいい火山弾
馬の頭巾
ツェねずみ
鳥箱先生とフウねずみ
クンねずみ
けだもの運動会
十力の金剛石
若い木霊
カイロ団長
とっこべとら子
よく利く薬とえらい薬
十月の末
ひかりの素足
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
風野又三郎
毒蛾
谷
二人の役人
鳥をとるやなぎ
茨海小学校
二十六夜
著者等紹介
宮沢賢治[ミヤザワケンジ]
1896年(明治29年)、岩手県花巻市に生まれ、1933年(昭和8年)、37歳で没。県立盛岡中学を経て、盛岡高等農林学校卒。幼い頃より宗教に親しみ、植物、鉱物採集にも熱中、また短歌も数多く作る。22歳頃初めての童話を書き、以後、創作と農業指導に献身。この二つの道は、賢治の短かい生涯を貫く、重要な柱となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mii22.
69
【娘の本棚】宮沢賢治の童謡集で気になったフレーズ、♪ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイ、トンの「十力の金剛石」虹の脚もとにあると言われるルビーの絵の具皿や、金剛石を探しに出かけた王子と大臣の子が森の奥で見いだしたものは…ポッシャン…霧が雨になり、ザッ、ザ、ザ、ザザァ…あられに変わり、パラパラ…どこか天国か極楽を思わせる夢幻のような美しく尊い情景を言葉で表現する宮沢賢治の童話は自然とともに生きものがひとつになってとけあい混じりあうよう。娘のおすすめで「蜘蛛となめくぢと狸」を、なんという悪党たち!真っ黒。2020/07/10
優希
66
ようやく童話の世界を旅した気分です。色彩と光に満ちたイーハトーヴの世界。『よだかの星』『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』が面白かったです。賢治の描く風景をもっと見てみたくなりました。2020/05/31
たつや
52
岩波少年文庫を読むなかで、賢治の作品に触れ、脳裏にこびりついていたんでしょうね?本当に気まぐれで、この全集を借りていました。風の又三郎の草稿、「風野又三郎」を興味深く読みましたが、比較しないとちがいはわからない。既読の作品もありましたが、独特の世界観が素晴らしく、他の巻も読んでみたいと素直に思っています。2017/05/15
優希
48
賢治の童話の世界は色彩のきらめきを感じます。2022/08/17
∃.狂茶党
13
小学校で、児童文学の類が嫌いになったので、宮沢賢治の童話も、きちんと読むのはこれが最初。 作者は詩人であるので、文章が心地よく、情景が鮮やか。 最初の短編『蜘蛛となめくぢと狸』がナンセンスで楽しい。 『ひかりの素足』は、宗教的な話で、ほぼホラーである。山野一に漫画にしてほしい。 基本的に、詩作品よりも、童話の方がイメージを喚起する。2025/06/04