出版社内容情報
美学とは何か? ドイツ哲学に派生する近代美学の誕生、明治日本におけるその受容、現代美術批評の言説と美学の関係など通し、美学への批判的言説を思索する。
内容説明
夏目漱石、森〓外、高山樗牛、岡倉天心、萩原朔太郎らが、ハルトマン、カント、ヘーゲル、クローチェなどの「美学」といかに対峙したかを詳述する「美学の近代」。ヴァレリーによる「制作学」を考察し、作品概念の地平を拓く「美学批判をめぐって」。20世紀アメリカを代表する美術批評家グリーンバーグの「批評」に対する数々の「批判」を採り上げ、現代芸術と連動する実践的批評と美学との関係を問う「批評と美学」。「美学すること」を追求する著者畢生の美学講義。
目次
第一章 美学の近代(夏目漱石の「美学者」;森〓外の「審美学」;高山樗牛による批判 ほか)
第二章 美学批判をめぐって「制作学」の問題、および「作品」のトポロジー(ヴァレリーによる美学批判とその解体;制作学の理念とその背景;制作と価値 ほか)
第三章 批評と美学(グリーンバーグvsレッシング;「モダニズム」とはなにか;モダニズムは「イズム」である ほか)
著者等紹介
谷川渥[タニガワアツシ]
美学者、文学博士。1948年生まれ。東京大学文学部美学芸術学科卒業、同大学院人文科学研究科美学芸術学専攻博士課程修了。東京大学文学部助手、國學院大學文学部教授、京都精華大学客員教授などを歴任。日本近代芸術史の諸問題を踏まえながら、マニエリスム・バロックからモダニズム・現代美術にいたる広範な領域を視野に収め、多方面にわたる理論的活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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