出版社内容情報
その創作の秘密と苦悩を、画家の感性が読み解く。
新しい芸術が生まれていた時代、
描きつづけ、生き抜いたゴッホがここにいる。
展覧会の感動が100倍に!
カラスが飛びたつ不穏な麦畑、激しく渦巻く夜の空、黄色の花瓶に生けられた黄色のひまわり……ゴッホの描く絵画はその純粋で孤独な魂そのものだ。耳切り事件やピストル自殺により、狂気の画家・悲劇の主人公とも言われてきたこの画家は、発作が起きていない時は知的かつ冷静な画家として、わずか十年余の間に2000点以上の作品を制作したという。ゴッホの夢や恋愛の挫折、芸術修業、自己懲罰癖、知られざる人間像と画業の真実に、長くオランダに住む美術史家・画家である著者がかつてない光を当てる新しい力作評伝。
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もしゴッホの画家生涯を悲劇と捉えるなら、独創性と想像性の欠如は多少の悲劇と言っていいかもしれない。しかし作品にこめた象徴性と画風こそは、ゴッホをゴッホたらしめている重要な要素だろう。加えてゴッホが正規の美術教育を否定して美術学校を拒否したことで、ゴッホは西洋美術のしがらみを超えて独自のスタイルを確立することができたのだ。(中略)ゴッホがいなかったら、現代美術は今とは異なる展開と様相を見せていたことは確かだろう。―――「終章」より
内容説明
ファン・ゴッホの知られざる素顔。その創作の秘密と苦悩を、画家の感性が読み解く。新しい芸術が生まれていた時代、描きつづけ、生き抜いたゴッホがここにいる。展覧会の感動が100倍に!
目次
一九九五年・早春・オランダ
フロックコートと青春
楡並木の街
晩秋の旅人
夏の客人
SORROW
馬鈴薯の花咲く村
モンマルトルの風車
太陽の花
あの日
死と再生の交響曲
雷雲の下の麦畑
リボルバーと落穂
麦畑の秘密、オーヴェール・一八九一年七月二十七日
二〇二五年・早春・日本―あとがきにかえて
著者等紹介
吉屋敬[ヨシヤケイ]
1945年、横浜市生まれ。画家、エッセイスト、ゴッホ研究家。1965年、オランダに渡り、ハーグ王立アカデミー、フリー・アカデミーで油彩、リトグラフ等を学ぶ。1973年、ユリアナ女王戴冠二十五周年特別肖像画展に招待され、二十五名の画家とともに肖像画を描く。オランダ、ベルギー、ニューヨーク、日本の各地で作品を発表。2001年、日本人として初めて、オランダ芸術家協会正会員に推薦される。日本の新聞・雑誌等に寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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