筑摩選書<br> 訟師の中国史―国家の鬼子と健訟

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筑摩選書
訟師の中国史―国家の鬼子と健訟

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  • サイズ 46判/ページ数 352p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480017956
  • NDC分類 322.22
  • Cコード C0322

出版社内容情報

中国はかつて訴訟を助ける訟師(しょうし)が跋扈する訴訟だらけの「健訟」社会だった。宋代から清末にかけて暗躍し、蛇蝎の如く嫌われた訟師の実態を描き出す。

内容説明

訟師とは人びとの訴訟を助けた者たちである。彼らは狡智にたけた悪党とみなされ、清代では職業として訴状を代作しただけで、しばしば死刑一歩手前の重刑が科せられた。しかし実際には、それは中国国家が自ら生み出した鬼子であった。宋代以降、訴訟が多発する健訟社会となったのだが、伝統的な政治思想と訴訟制度そのものが逆に人びとに訟師を必要とさせたからである。また訟師には訟師であることに誇りを持つ者さえいた。訟師の全体像を中国史と世界史のなかで初めて明らかにする。

目次

序章 訟師というカギ
第1章 悪訟師のイメージ
第2章 訟師有用論
第3章 伝統中国の訴訟制度
第4章 訴状への虚偽と誣告の書きこみ
第5章 私代書の容認から処罰へ
第6章 積慣の訟棍
第7章 名士と犯罪者のあいだ
第8章 北京への直訴
第9章 世界史のなかの訟師
第10章 江戸との相違
第11章 訟師自身による訟師観
第12章 訟師の終焉
終章 現代中国の訴訟制限

著者等紹介

夫馬進[フマススム]
1948年愛知県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程退学(1974年)。京都大学人文科学研究所助手、富山大学人文学部助教授、京都大学文学研究科教授を歴任。京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

17
訴訟社会だったという近世中国。「水際対策」のような形で訴訟を減らそうとするお役所に対していかに訴状を受理させるかで腕を振るう訴状の代書屋にあたる訟師は、歴代王朝によって弾圧の対象となり、社会的に蔑まれてきた。しかし彼らは政府の儒家的な理念と政策によって生み出された「必要悪」とも言うべき存在だった。本書では彼らの姿を他地域や近現代中国の状況との比較の上で描き出している。同時期に出た『清代知識人が語る官僚人生』の裏面的な内容で、セットで読むと面白い。2024/04/21

電羊齋

13
中国の歴代王朝と「民の父母」たる地方官は訴訟と争い事をなくす徳治主義の理念に立脚していた。だが現実には中国近世の民間社会では紛争が激増し、民は受理されやすい訴状を作る必要に迫られる。ゆえに要らぬ訴えを起こす「訟棍」(訴訟ヤクザ)として度重なる弾圧を経てもなお訴状の代書を行う「訟師」が必要とされていく。著者は訟師を国家が生み出した「鬼子(おにご)」であったと位置づける。また英国・イスラム世界・日本との比較、現代中国での状況も紹介されており、示唆に富む。文書史料などにより実際の裁判事例も紹介されており面白い。2024/05/06

guanben

2
中国は伝統的に訴訟大国だった!「訟師」とは、宋代から清代にかけて活躍した訴訟請負人のこと。膨大な訴訟の処理を不受理などで回避しようとする政府と、あの手この手で裁判に持ち込もうとする訟師の攻防を歴史資料から概観する。訟師は裁判に及んでも嘘八百を並べてたてることもあることから、悪党とみなされ、時には重罪に処されることも。中華民国以降、法律が整備され、弁護士が登場すると、訟師は消えていったが、膨大な訴訟だけは今も存在し、政府の大きな課題になっているという。2024/05/16

たかひろ

1
清末期までの約千年間、中国には「訟師」と呼ばれる訴訟の文章作成を代行する裁判ゴロのような職業人が存在し、歴代中国王朝はその根絶に苦労しました、という話が一次史料を元に書いてある。中国では訴訟などなく役人が賄賂を取って勝手気ままに民を虐げたり殺してたりしたと、勝手な印象を持っていたがそうではなく、訴訟が乱発され役所もそれを受付ける社会だったことに驚いた。ただし、役人の匙加減で訴訟を受付けたり受付けなかったりする社会だったので、訴訟を認めさせるためにどんどん訴訟文が過激になり嘘を混ぜるようになっていったらしい2024/11/24

もち

1
まさかの起案する人が違法な存在だったなんて驚いた。2024/10/21

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