出版社内容情報
稀代の風刺文学『痴愚神礼讃』を世に送り、宗教改革の狂乱の時代に理性の普遍性と自由な精神を信じ続けた人文主義者エラスムスを描き出す渾身の傑作評伝。
内容説明
中世の大ベストセラー『痴愚神礼讃』の名を知る人は多いだろう。ヨーロッパ文化への貢献者に与えられる栄えある賞に今もその名を残す、西洋知性の粋、デジデリウス・エラスムス。宗教改革をはじめ、世俗権力と教会の対立が顕在化し、争いが絶えなかった狂乱の時代を生きた彼は、つねに学問に打ち込み、「何者にもその道を譲らない」という自らの信条が揺らぐことはなかった。派閥に属さない知性的な態度や人間味あふれる魅力的な人柄、「世界市民」としての生き方を、西欧文化を知悉する著者が憧憬をこめて描き出す傑作評伝。
目次
我、何者にも譲らず
不信の時代
変革への底流
古代へのめざめ
ふたつの友情
イタリアへの旅
ヴェネツィアの印刷業者
ゆっくり急げ
『痴愚神礼讃』
宗教改革の嵐
嵐のなかの生涯
自由意志論争
栄光ある孤立
著者等紹介
高階秀爾[タカシナシュウジ]
1932年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業。1954‐59年、フランス政府招聘留学生として渡仏。東京大学教授、国立西洋美術館館長、大原美術館館長、日本芸術院院長を経て、東京大学名誉教授。専門はルネッサンス以降の西洋美術史であるが、日本美術、西洋の文学・精神史についての造詣も深い。長年にわたり、広く日本のさまざまな美術史のシーンを牽引してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ジュンジュン
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