出版社内容情報
震災で遺体はどうなったのか。東日本大震災、関東大震災、濃尾地震を例に行政、寺院、メディアなどの死者への対応を、南方熊楠賞受賞の災害史の泰斗が検証する。
内容説明
東日本大震災から一〇年、死者がどう扱われてきたかはメディアも遠慮がちにしか報じていない。だが未来に向けて、死者をはじめ震災への対応を記録に残さねばならないだろう。本書は、現場で対応に当たった行政担当者や寺院への聞き取り、自治体が発行した記録誌などから東日本大震災の過程を跡づける。さらに関東大震災、濃尾地震に際し政府や社会が死者に対しどう対応してきたかを史料で検証。長年にわたり災害社会史研究に携わってきた歴史学者が、震災と死者の問題を問いなおす。
目次
1 東日本大震災―死者の行方と避難の実態(消防団員の東日本大震災―「これはただ事ではない」;死者の行方;東日本大震災と仏教系メディア―死者をめぐる情報を中心に ほか)
2 関東大震災―死者供養と寺院移転(関東大震災の寺院被害と復興―関東圏における真言宗智山派寺院の場合;関東大震災と寺院移転問題―誓願寺塔頭と築地本願寺末寺の場合)
3 濃尾地震―天野若圓と震災紀念堂(天野若圓の前半生;濃尾震災紀念堂)
著者等紹介
北原糸子[キタハライトコ]
1939年生まれ。専門は災害社会史研究。津田塾大学学芸学部英文科卒業。東京教育大学大学院文学研究科日本史専攻修士課程修了。神奈川大学特任教授、立命館大学教授、国立歴史民俗博物館客員教授を歴任。災害社会史の開拓者としての功績により2020年春、南方熊楠賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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