出版社内容情報
ロシア革命を成就させる上で、異端の宗派が大きな役割を果たしていた! 無神論を国是とするソ連時代の封印を解き、革命のダイナミズムを初めて明らかにする。
内容説明
「無神論」国家、ソ連の秘密。長らく伏せられた、異端の宗派の、革命とのかかわり。ロシア革命100年の今、明かされる真実。従来のロシア・ソ連史研究を刷新する画期的な書!
目次
第1章 古儀式派と革命運動
第2章 ソビエト国家と古儀式派
第3章 革命の古層―イワノボ・ソビエト論
第4章 「労働組合論争」論
第5章 革命権力と「神」、そして「崇拝」
第6章 スターリン体制と「永遠の反乱者」
終章 イワノボへの道
著者等紹介
下斗米伸夫[シモトマイノブオ]
1948年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学法学博士。現在、法政大学法学部国際政治学科教授。ロシア政治を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
7
『ロシア正教古儀式派の歴史と文化』の中ではこの著者ひとりだけ浮いている感があった。単著を読んでもやっぱり…古儀式派と革命を結びつけんがため、牽強付会のお手本のような議論が展開される。祖父母や両親が古儀式派だった、古儀式派が優勢な地方に生まれ育った、古儀式派が経営する企業で働いたことがある、繊維業やヴォルガの水運に携わった、果ては純ロシア的な姓というだけの理由で「古儀式派系」にされてしまう革命家たち。モロトフもカリーニンもルィコフもみんな古儀式派系。どうなんですかそれは。2023/11/29
わび
3
著者の『ソビエト連邦史』を読んだ際、なぜ古儀式派を強調するのかよく分からなかったのだが、本著で多少理解は進んだ。古儀式派には労使協調志向やソビエトの起源に繋がる「大会」の伝統があり、20年代には古儀式派の人物が党内右派としてネップなどを主導したと言えるそうだ。そうは言っても、古儀式派の人々が一枚岩の集団と言えるのか、そもそも何を目指したのかの明確な証拠は結局明かされず、隔靴掻痒のままであることは変わりないし、スターリン批判に反古儀式派の目的があったという辺りには付いていけないものはあるのだが。2020/07/13
Rick‘s cafe
2
ロシア革命期からスターリン体制時期において、社会の中でもロシア史の中でもあまり触れられてこなかった古儀式派の役割をソヴィエトの発祥と関連づけて明らかにしていく点は非常に面白かったが、副題が「ロシア革命の知られざる真実」となっており、本文中もどことなく陰謀論的な匂いがぬぐいきれずにいたように思われる。2019/03/20
工藤 杳
1
池田『ロシア革命』と並べて、どちらも陰謀論っぽいので多少眉に唾して読まなきゃいけないと思うが、それでも「ロシア革命がなぜ他でもないロシアで起こったのか」という問いに対して、古儀式派というひとつの観点を提供してくれる点でおもしろく読めた。著者は修論のころからこのテーマを追い続けている。ソビエトという名詞も古儀式派的響きがあるという。自著参照とウィキ含むweb文献の参照が若干目立つ。2018/03/21
-
- 和書
- グッドナイト