出版社内容情報
様々な作品を通して19世紀末のジャポニスムから近年のクールジャパンまでを辿りながら、古くて新しい問いである「日本的なもの」の成り立ちと展開を考える。
内容説明
十九世紀末の浮世絵や陶磁器から近年の絵画や建築、アニメーション、ファッションまで、日本を見つめる外国人のオリエンタリズムを背景にした眼差しが「日本趣味」を“発見”し、その刺激によって国民に“ジャパネスク”が喚起されてゆくというメカニズムが、日本近代の文化表象の著しい特色となった。“日本的なるもの”の核心はいまどこにあるのか。“日本的”とは、いま何を意味するのか。“日本”を象徴するさまざまな“作品”の成り立ちをたどりながら、こうした問いへの答えを探る。
目次
第1章 “日本”をあこがれる(ジャポニスムのまなざし;ある裸体画のモデル―山本芳翠とジュディット・ゴーティエ;“蝶々夫人”を探して―プッチーニと「誤解」の循環;“伝平重盛像”はだれか―マルローが育んだ“神話”)
第2章 “日本”が立ち上がる(つくられる「伝統」呼び出される「祖国」;迷宮としての五浦六角堂―岡倉天心の隠れ家;一九四〇年の詩と真実―山田耕筰と北原白秋の永訣;“富士”というトポス―横山大観と国民のまなざし)
第3章 見つめられる“日本”(天皇を頂く国―異文化とのはざまで;モンパルナスの光と影―「寵児」フジタの陰を生きた画家;天正遣欧少年使節と南蛮絵画―蒐集家・池長孟の戦中戦後;米国大使館の昭和天皇―フェイレイスとファラーズの眼)
第4章 建築意匠のなかの“日本”(“風景”が語りかけるもの;東京駅と日本橋―辰野金吾と妻木頼黄のたたかい;ふたつの「鹿鳴館」―三島由紀夫と「空っぽな戦後」;東京五輪と“太陽の塔”―丹下健三と岡本太郎の「対決」)
著者等紹介
柴崎信三[シバサキシンゾウ]
1946年生れ。1969年、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業し、日本経済新聞社へ入社。社会部記者、同部次長、文化部長などを経て、編集委員兼論説委員を務める。2007年に退社し、現在はジャーナリスト。獨協大学、白百合女子大学、文化学園大学でメディア、文化、情報社会などを教える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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