内容説明
皮膚は自己と環境との境界である。家は公と私を隔て、国境は国を隔てる。これら境界は本当は一体何を隔て、われわれに何を強いているのか。境界を越えるという経験はいかなる意味をもちうるのか。境界を越えて、われわれはいかに他者と出会い、世界とつながることができるのか―。幾層もの境界を徹底的に問い直し、内/外を無効化する流動的でダイナミックな存在のあり方を提示する。身体・自己・世界の関係を考察してきた著者が、流体の存在論なる新境地に挑む。
目次
始原の海のディオゲネス
第1部 変身(ファッションと産まれることの現象学;見つめられることの現象学;痛むこと、癒されること;食べられること、食べること)
第2部 海と空気(流体のオントロジー;都市とウィルダネス、天井も壁もない家;家のないこと;コスモポリタニズム;海洋惑星とレジリエンス)
著者等紹介
河野哲也[コウノテツヤ]
1963年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。玉川大学文学部准教授などを経て、立教大学文学部教育学科教授。専門は、哲学・倫理学。哲学を用いて、環境・倫理・身体に関して思考を拡げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。