出版社内容情報
躁うつ病と診断される人の数がここ十数年で急増した。軽症化、新型うつの登場等昨今の状況を超えて、人類の苦悩の極北的表現としてこの病の両極性を捉えなおす。
内容説明
孤立+睡眠障害→苦悩の病へ。躁・うつの3段階をさまざまな症例から解明。昨今の啓蒙主義的なうつ病論ブームを超えて、人類が自らの苦悩の極北的表現として太古から共存してきた狂気(精神病)の軌跡の中に躁うつ病を改めて位置づけなおし、躁と鬱をその両極性という視点から点検し、その回復を展望する。
目次
1 躁鬱病とは何か?(躁うつ病の我執性とスパイラル;三大精神病論とその理念―人間観念の三領域;精神障害とは何か?)
2 躁鬱病者と「病前性格」(「二つの魂」について;病跡学から性格論への寄与;「二つの魂」と生育史)
3 発病の構造について(「うつ病発病状況」論の軌跡;わたしたちの躁うつ発病構造論)
4 病態の構造―躁・鬱スパイラルの形成(「躁うつ病スパイラル」の形成;うつ病の三段階;躁病の三段階;躁うつ病の分類)
5 躁鬱病の治療について(「癒し」としての治療と「柔らかい治療主義」;柔らかい治療主義の三段階;「地域医療」(コミュニティ・ケア)について
症例の検討
「二つの魂」の統合とスピリチュアリティ)
著者等紹介
森山公夫[モリヤマキミオ]
1934年長野県生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学部精神神経科講師、陽和病院院長を経て、現在、陽和病院名誉院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。