筑摩選書<br> 「魂」の思想史―近代の異端者とともに

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筑摩選書
「魂」の思想史―近代の異端者とともに

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  • サイズ B6判/ページ数 282p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015747
  • NDC分類 102.8
  • Cコード C0310

出版社内容情報

合理主義や功利主義に彩られた近代。時代の趨勢に反し、魂の声に魅き込まれた人々がいる。彼らの思索の跡は我々に何を語るのか。生の息吹に溢れる異色の思想史。

内容説明

合理主義と功利主義を基調とする近代。ゴッホ、ニーチェ、ボードレールから岡本太郎、三島由紀夫まで―、彼らは時代の趨勢に齟齬を覚えつつ、魂の声に引き寄せられ、思策と表現を行った。曖昧で無限定な概念でありながら、人々を揺り動かしてきた「魂」とはいったい何か。人間の内部と外部を通わせるその働きに、著者は現代人が見失ってしまったものを看取する。近代の異端者を通して生の息吹に触れる異色の思想史。

目次

第1章 ゴッホ
第2章 ニーチェ
第3章 ボードレール
第4章 初期ドイツ・ロマン主義と両次大戦間の前衛たち
第5章 日本人留学生の軌跡
第6章 大和魂の根源へ

著者等紹介

酒井健[サカイタケシ]
1954年、東京生まれ。1978年東京大学仏文科卒、同大学大学院進学。パリ大学でバタイユ論により博士号取得。現在、法政大学文学部教授。専門は、フランス現代思想、西欧文化史。著書に『ゴシックとは何か』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nobi

72
合理的精神と“生の奥底の不合理な力”とを対比させて西欧史を鮮やかに繙いた著者(『ゴシックとは何か』)が、“魂”という些か前近代的ワードで日欧の芸術家思索者を括ってしまう。“霊魂思想の漫遊“とエクスキューズあるけど、この切り口牽強付会では?と当惑しつつも、第1章「ゴッホ」と最終章「大和魂の根源へ」は鮮明な印象。ゴッホの風景画から太陽という象徴的存在が失われていった経緯。“際限のない滅びの現象を諾って生きる姿勢”としての“大和魂”を、杵築(小泉八雲)、ウタキ(岡本太郎)、閑雅な庭(『天人五衰』の一節)に見る。2017/06/24

Go Extreme

2
魂、その捉えがたさ、その恐ろしき魅力 もやもやとした何か 輪廻転生と彼岸 ソクラテスの告白 無知の知 魅惑する魂 ゴッホ: カルヴァンの霊魂論 メランコリー 自己批判、自己愛、そして大いなる静けさ ニーチェ: 天体の音楽と魂の浄化 神と自然の二元論 終わりのない虚無 ニヒリズムの正体 我々の肉体は多数の霊魂の共同体にすぎない 近代の引き裂かれる魂 ボードレール: 進歩のための芸術か、芸術のための芸術か 無用性の美学 初期ドイツ・ロマン主義と両次大戦間の前衛たち 日本人留学生の軌跡 大和魂の根源へ2022/01/03

Kumiko Fujiwara

1
個人的魂と全体的魂の間で揺れ動いた近代の芸術家に関する考察。2019/08/04

林克也

1
魂とは、その人の中に元からあるのではなく、周りとの関係性の中に立ち現れるものなのではないか。だから、この本で取り上げられた同じ人が、もし違う国や時代に生まれていたら全く違うことを言ったり行ったりしただろう。それはそれとして、ここに取り上げられた人々の言葉や行動は、解釈の仕方、受け取り方によっては毒にも薬にもなる、危険なものでもあり貴重なものでもあると思う。2014/12/24

buriki

0
哲学とかの前知識がなくて一回読んだだけだとわかりきらなかった。まえがきから始めて「あれ?スピリチュアル系?」とちょっと危ぶんだが、全然そんなことはなく、ただ文章にしづらいな…(笑)著者の言うとおり、もやもやとした何かについて書いた本。ハッとして理解できたようなそんなような…なにかこう、大事なものは書いてある気はする。何度も読むとわかってくる気がする。他の方、もっとうまい的を得たレビューをお願いします。2013/07/14

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