出版社内容情報
通貨危機、政権交代、大震災・原発事故を経ても、日本は変わらない。現在の閉塞状況は、いつ、いかにして始まったのか。変動著しい時代の深層を経済学の泰斗が斬る!
内容説明
通貨危機、政権交代、大震災・原発大事故を経ても、日本は変わらない。現在の閉塞状況は、いつ、いかにして始まったのか。誰がそれを引き起こしたのか。当代の碩学が、文化、社会、政治経済に亘り縦横に筆を揮った時評を再構成、肥大化し、宿痾となっているこの国の病理、日本の深層を掘り起こす。その視座の鋭さ深さ確かさで話題を呼んだ幻の社会経済戯評が、いま甦る。『世界』(岩波書店)誌に「朔北胡笳」の筆名で連載した社会経済戯評より精選した44篇を再構成。
目次
第1部 日本文化の底に
第2部 アメリカと中国
第3部 学問の黄昏どき
第4部 裏の政治家、表の政治家
第5部 政治改革の盲点
第6部 日本経済どこへゆく
著者等紹介
伊東光晴[イトウミツハル]
1927年生まれ。京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Haruka Fukuhara
1
世代の違いを強く感じた。時代を超える感性の持ち主はごく一部で、ほとんどの人のものの考え方は時代に規定されるのだろうか。同じ時代を生きていても老人と若者では随分と捉え方が違うのかもしれないと思った。NHKのニュースが馬鹿みたいに老人臭いのは老人が主要なターゲットだからこその必然なのだろうか、とか。2017/02/13
壱萬弐仟縁
0
「現実との緊張関係を失った学問は黄昏る」(p.112)とは、鋭い指摘に思える。ゲーム理論のようなものも、社会問題を解決する、という目的としてみたら、本当に役立つのか、どうか、という疑問を溶解していくには容易なことではない、と思った。他にも、ケインズを巡る議論など、大学と現実を直視してきた著者ならではの、歯に衣着せぬ痛快な論理に脱帽である。2012/05/15