出版社内容情報
二十世紀を代表する巨匠、フルトヴェングラー。変動してゆく政治の相や同時代の人物たちとの関係を通し、音楽家の再定位と思想の再解釈に挑んだ著者渾身の作品。
内容説明
フルトヴェングラーの生涯の軌跡がわれわれに突きつける問題とは何か―。本書は、ヴァイマル期からナチ期、そして戦後における音楽家の振る舞いと内面を同時代人たちとの関係を通して再検討した渾身の作品である。政治に対する倫理のありようを見定め、さらには、その音楽思想がいまなお投げかけてくるものを考察する。
目次
はじめに―「優れた音楽」とは何か
第1部 青年期からナチ前夜まで(ヴィルヘルム青年の徒弟時代;反ユダヤ主義とドイツ主義―マンハイム時代(一九一五年‐一九二〇年) ほか)
第2部 ナチ時代の音楽と政治(ナチ政権掌握後のフルトヴェングラー;ブラームス記念講演とその背景 ほか)
第3部 音楽における「戦後処理」(敗戦後の音楽と政治;アーベントロートの場合 ほか)
著者等紹介
奥波一秀[オクナミカズヒデ]
1966年富山県高岡市生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。倫理学・哲学・文化論。日本大学、東京理科大学、浦和大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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