筑摩選書
江戸絵画の不都合な真実

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015044
  • NDC分類 721.025
  • Cコード C0370

内容説明

近世絵画にはまだまだ謎が潜んでいる!又兵衛、一蝶、若冲、蕭白、芦雪、岸駒、北斎、写楽を取り上げ、その作品を虚心に見つめ、文献資料を綿密に読み解くことで、社会的・政治的・文化的「不都合」として隠蔽された「真実」を掘り起こす。特異の絵師たちの等身大の人間性を深く掘り下げ、絵画に隠された意味を読み解く刺激的試み。

目次

岩佐又兵衛―心的外傷の克服
英一蝶―蹉跌の真実
伊藤若冲―「畸人」の真面目
曾我蕭白―ふたりの「狂者」
長沢芦雪―自尊の顛末
岸駒―悪名の権化
葛飾北斎―富士信仰の裾野
東洲斎写楽―「謎の絵師」という迷妄

著者等紹介

狩野博幸[カノヒロユキ]
1947年福岡県生まれ。九州大学文学部哲学科美学・美術史専攻卒業。同大学院博士課程中退。京都国立博物館を経て、同志社大学教授。専門は桃山絵画、江戸絵画。特に狩野派・長谷川派・琳派・18世紀京都画派が研究領域。京博時代は、数々の名企画展を手がけた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

№9

33
思わせぶりなタイトルは要は、江戸絵師たちの知られざる横顔紹介といったところか。結構マニアックな内容なので読みなれない読者にはとっつきにくいかも知れないが、若冲のイメージを一変させるエピソードや又兵衛の内面に迫る記述など結構、感動的でもある。蕭白や北斎を語るのに関係あるのかないのかわからないような人物の話が延々と続いたりするが、そういう背景もまた知ってこそ天才絵師たちの作品を観る目も深みが増す、ということなのだろう、知的好奇心を駆り立てらた。蘆雪は西條奈加の小説「ごんたくれ」では憎めないやつだったけどね。2016/06/29

キムチ

10
取り上げた8人はどれも濃い。中でも芦雪、岸駒。 前者は「芦に積もった雪が溶ける如く亡くなった・・だが残した虎の絵「強烈な嵐が吹きすさぶ、風のなかをじわりと近づいて来る虎の眼光の鋭さはただごとではない」迫力 後者の悪評はただならぬ・・が現代と同様にその巧さは真の評価と違う。 北斎に至っては殆ど語りもなく、食行身録と富士講の解説で終始。 イデオロギーをばっさり切ったり、原爆画家をばっさりしたり・・舌鋒鋭さもなかなか。2013/09/06

こぽぞう☆

9
図書館本。返却日が迫っているので急いで読了。8人の江戸時代の画家のプロフィール的な。それを示すのに延々と周辺の人物や当時の著作などについて述べているので少し辟易。2018/01/23

tom

4
この著者は怒っている。写楽の項、岸駒の項なんて、特に怒っている。きちんと根拠を調べないままいい加減な主張をしている輩、単なる情緒で俺が俺がと声高にわめく輩、こういった連中を一刀両断、その背景には、とてつもない博学と調べるための労力があるみたいだ。よって、とても面白かった。もっとも最初の方は、この著者のスタンスが分からなくて読み流し、岸駒の項に至って、こりゃすごいと大笑いしながら読み、もう一度最初に戻って読み直した。昔流行った山口昌男を思い出してしまった。こういう学者が今もいるのだ。おすすめ本です。2011/06/25

neotoro

3
英一蝶、若冲、北斎。例えば働き盛りに隠居した若冲を筆頭に、ただひたすら絵と表現にのみ生きた人達といったイメージだったが、実はその時代時代の社会状況に敏感で、時にはアグレッシブに関わる人たちであったことが示される。ただ当時は宗教や社会運動などの弾圧が苛烈であったため、そうした側面がわかりやすい形で多くは残っていないだけなのだという。若冲が晩年に好んでたくさん描いた伏見人形の絵。なんでこんな画題かと不思議に思っていたのだけど、当時の伏見で起こったある事件が絡んでるのではとの推察に、読んでいて胸が熱くなった。2015/10/19

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