筑摩選書
現代文学論争

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  • サイズ B6判/ページ数 380p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015013
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0390

内容説明

かつて「論争」がジャーナリズムの華だった時代があった。なかでも文学論争は、その衣の下に政治論争を隠し持っていて、刺激的だった。本書は、臼井吉見『近代文学論争』の後を受け、主として一九七〇年以降の論争を取り上げ、それらがどう戦われ、文壇にいかなる影響を与えたかを詳説。新聞・雑誌が、もはや論争を扱わなくなった現在の状況に一石を投じる。

目次

江藤淳の論争―一九六〇‐八八
「内向の時代」論争―一九七〇‐七四
フォニイ論争―一九七三‐七四
「堺事件」論争―一九七五‐二〇〇二
方法論(三好‐谷沢)論争―一九七七
『事故のてんまつ』事件―一九七七
『死の灰詩集』論争から「反核」論争へ―一九八二‐八五
筒井康隆の戦い―一九八四‐九四
「たけくらべ」論争―一九八五‐二〇〇五
「君と世界の戦いでは、世界に支援せよ」論争―一九八五〔ほか〕‐二〇〇五

著者等紹介

小谷野敦[コヤノトン]
1962年茨城県生まれ。本名読み・あつし。東京大学文学部英文科卒。同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。1990‐92年、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学に留学。学術博士(超域文化科学)。大阪大学言語文化部助教授、国際日本文化研究センター客員助教授などを経て、文筆業。文芸批評、小説、演劇、歴史、男女論などフィールドは幅広く、独自の「男性論」を展開。著書に『聖母のいない国』(河出文庫、サントリー学芸賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ステビア

11
小谷野先生の面目躍如といったところである。不毛な論争が多いなと思った。2018/07/05

柳田

11
数えたら、小谷野本は単著はこれでたぶん59冊目になる。ずいぶん読んだなあと思うが、重厚な伝記などがまだだいぶ残っているのでぼちぼち読んでいきたい。本書はタイトルの通り、現代日本での文学をめぐる論争を17集めたものだが、ノンフィクションの面白さがある。しかし、著者も書いている通り、活字上での論争というのはどんどん縮小してしまっているのだろう。この本は臼井吉見『近代文学論争』という本のあとを受けて書かれたそうだが、臼井著は75年に上下巻が刊行。本書のあとを受けて新しい本が書かれるのは何年あとになるだろうか。2018/06/04

May

6
小谷野氏2作目かな。反感、批判を恐れない批評のオンパレード。「平地に波乱を起こすように論争を起こすことが好きだというわけではな」いとのことだが、とにかくおかしいことはおかしいと言わないとすまない性格らしい。よって、あちらもこちらもビシビシと批判する。ただし、評価すべきところはきちんと評価しているので、私としては好ましい態度だと思っている。かくありたいとも思う。しかし、(書かれていることが大筋で正しいという前提付きではあるが、)文芸評論のいい加減さよ。ユリイカ太宰号をつまらんと思った私は正しいと実感したよ。2022/02/05

モリータ

6
宮沢賢治論争のところだけ読み直し。関連のものを読むなら国柱会とか石原莞爾・大川周明とかとの関係のがいいかな。玉石混交だろうけど。2013/11/24

kokada_jnet

6
この著者にしてこの題材。面白くないわけがない。論争の原資料を丁寧に拾い、ゴシップや私見も大胆に交えながら、まとめていく。「江藤淳の論争」「筒井康隆の戦い」といった章もこの本にあるが。「小谷野敦の戦い/論争」を誰かにまとめてもらいたい。2010/11/06

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