内容説明
日本人は小説のどこに感動するのか。小説の実質は何か。ヨーロッパ小説と日本の小説との違いはどこにあるのか―近代日本文学の性格を考えぬき、その光と陰を明らかにした名著。厳密な本文校訂を行ない、新しい読者のために懇切な「註」を付す。〈付録〉「逃亡奴隷と仮面紳士」。
目次
1 小説への疑問(序論として)
2 理論と実作との距離
3 内なる声と仮装
4 環境と創作
5 日本の場合
6 放棄と調和
7 自我の作用
8 物語りの発想
9 散文芸術の性格
10 スタイルの発生
11西洋の方法
12 日本の方法
13 附随的な推定群
付録 逃亡奴隷と仮面紳士