出版社内容情報
学生の街・早稲田で34年。
早稲田大学の学生から著名人まで、
幅広い人に愛される ”素朴なケーキ” を出す喫茶店、
「カフェゴトー」の全記録・インタビュー集
ーー東西線の早稲田駅を出てすぐ、ビルの階段を上がった二階にカフェゴトーはある。朝十時から、夜の九時まで。ここに来る人は、朝も昼もケーキを食べる。コーヒーを飲み、本を読み、話をしながら、それぞれが選んだケーキを食べる。
東京で三十年以上、続いてきた喫茶店には〝なにか〟があった。そのなにかは、あのときゴトーで感じた実家のような空気にある気がした。落ち着きや安心だけではない。明るさと、寂しさ。温かさと心細さ。静かな予感。時間と思いが集積したあの場所には、そういうものが漂っていた」(前書きより)
ーー矜持を保ちつつ、優しくもある。大切なものを守りながら、柔軟で、寛大であり続ける――そんなGOTOの佇まいは、ものづくりに携わる人間として一つの目指すべき姿だと感じる」(朝井リョウさん)
ーー「喫茶店の毎日は同じ繰り返しのようで、螺旋のように少しずつ、上にあがっているんだ」(店主・後藤進さん)
学生の街、早稲田駅前で34年間続く喫茶店、cafe GOTO(カフェゴトー)。
朝井リョウ、内田真美、土岐麻子、テリー伊藤……数多くの人に愛されているのは、
30年以上変わらずに作り続けられているホームメイドケーキです。
素朴なケーキはなぜ、人々の心を惹きつけるのか。
東京で30年以上続く「喫茶店」とは、人々にとってどんな場所なのか。
カフェゴトーを愛する各界の著名人、早稲田大学の教授と学生、現役スタッフ、そして70代の店主 後藤進さん。さまざまな人物に話を聴き、「喫茶店」というものの存在を浮かび上がらせたインタビュー集。
写真家・川島小鳥さんによる撮り下ろし写真を掲載。
チーズケーキ、タルトタタン、チョコレートタルト……長く愛され続けてきたカフェゴトーの代名詞であるケーキと、ドリンクのレシピを多数収録。
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編著:瀬谷薫子
語り:後藤進(カフェゴトー店主)
写真:川島小鳥
寄稿者:
朝井リョウ(小説家)「GOTOの隅に腰を下ろして」
内田真美(菓子研究家)「階上の私的希少店」
土岐麻子(歌手)「誰かの花園」
テリー伊藤(タレント/ 演出家)「cafe GOTOと私の不思議な関係」
【目次】
はじめに カフェゴトー
一章 後藤さん
後藤さん / 本物の味 / たんぽぽの綿毛 /ケーキだけの店 /待ち合わせ /間合い / 古くて新しい /早稲田の街で
二章 ケーキ
物語とイメージ / 幼児性の芸術 / タルト・タタンの矜持 / チョコレートの哲学 / 果実のノスタルジー / 創作 / 約束 / 僕が好きなもの / 残したい / ケーキと一日
三章 人
ゴトーの人 / 他人以上 /ぶどうのタルト / 水曜日の音楽 / マスター孝行 / 鈍(どん)/ 道具箱 / 踊り場 / 実家
終章 喫茶店
文化 / 憧れ



