出版社内容情報
「圧倒的な面白さ!」と話題の人類学本、爆誕!
山極壽一氏、松村圭一郎氏、中島岳志氏、小川さやか氏…各界より大推薦!!!
「理解不能な出来事を目の前にすると、相手を否定して自分を守ろうとしてしまう。しかし異質なものを、異質なものとして見ていても何も生まれない。偏見や独りよがりな思い込みではなく、「知」に「血」を通わせて、人と接していきたい。ずっと興味があった人類学の世界。その一歩が踏み出せそう!」
――ジュンク堂書店 藤沢店 小山さん
白と黒ではわけられないこの複雑な世界で、他者とともにあるために。
今こそ、僕たちには人類学が必要だ。
内容説明
じっとしていられない(多動)。忘れ物や無くし物が絶えない(不注意)。人の繊細な気持ちを汲み取れず、良かれと思って言ったことが舌禍を招く(無神経)。大事な局面ほど失態をやらかすことが多い(計画性の不在)。これらが、僕をヘタレな存在たらしめる要因たちだ。
目次
第一部 ゆらぐ自分(旅立ち;「何者かになる」ってどういうこと?;「孤独」に突き動かされる日々;黄金の町で出会った青年)
第二部 褐色の世界で見たもの(沙漠で生きるということ;超自然的世界への入り口;「あわい」に生きる)
第三部 ゆらぎの世界(居場所を探して;感謝のない社会;所有をめぐる問題)
第四部 僕をゆるがせてしまった世界(交差する人生)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
24
行く時点でヘタレではないと思ってしまった。この人なりの異文化の引っかかりポイントを面白く感じた。ありがとう、はい、8000円よりも、同額のものを寝てる枕の裏にそっと入れてくれる方がありがとうな気がするのは、発見だ。2025/06/29
to boy
23
自分を壊すためにインドに渡った著者。人間関係における「ゆらぎ」の意味を考えながら何度も訪れるインド。最終的にたどり着いた砂漠の民(インドに砂漠があるとは知らなかった)との交流で息苦しい日本の生活と違った生活習慣に浸り自分を肯定していく姿がよかった。面白い内容ですが、ちょっと読みにくいところもあるかな。2025/01/15
鯖
20
教授から自分を壊せと言われてインドを旅した著者。人間関係のゆらぎを研究するため、その後幾度もインドを訪れる。ただ人類学者っていうけど、ただの旅人なのでは…。一応、色々分析されてるんだけど、その分析が逆に邪魔なのも多いし、著者本人が「そういうもんだ」で納得するしかないエピもたくさん。ヤギを供物にして睾丸は著者が貪るとか自称高名なバラモンにボッタくられ呪われるとか風呂でもブツはさらしてはいけないとか、いろんなエピはたくさんあるんだけど、風呂敷ぶちまけて畳めてない感じ。それがインドだと言われればそれはそう。2025/04/04
Toshi
17
自称ヘタレ人類学者である著者の成長期(?二十歳過ぎて成長期もないが)。タイトルにもなっている三題噺の成分は、ヘタレ8、人類学者2、沙漠3である。足したら10を超えてしうが、読んでいる方が萎えるほどヘタレ成分が多い。沙漠のトライブとの居候生活、ようやく第三部で登場する人類学的考察は面白かったが、全体としては自分のテイストには合わなかった。本業では経済的にも厳しい研究者たちが、その研究と日々の面白ネタをつづった本で収入を得るのは良いと思うのだが、ちょっと食傷気味。出版社側も内容もっと吟味した方が良いのでは2025/02/08
ぽけっとももんが
11
口が過ぎて怒らせてしまった教授に「自分を壊してきなさい」と言われてインドに旅立った大学生が(たぶん)立派な人類学者になるきっかけ。確かに衝動的ではある。それにしてもインドとは奥が深く手強い。「ありがとう」と感謝することをよしとしない文化かぁ。見返りを期待するわけではないけれども、わたしはそれはちょっと嫌だなぁ。でもそういう文化があるのだから世界は広いし、知ることは楽しい。2025/04/27
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