出版社内容情報
みんなこの不安とどうつきあっているのだろう
「近くにいたって、こんなに遠い、だからいつも、こころなかでおーい、と思う」。
現役高校教師で歌人でありエッセイストの若手再注目の著者最新エッセイ+日記。
「わかりたいのは不安だから。わからないからあなたとかかわりたいと思う」
鬱陶しいけど清々しい、不思議な吸引力のある文章で綴る共感度マックスのエッセイ。
内容説明
わからなくてもわかりあえることを、あんたはもう知ってるっていうのかよ。わかりたいのは、安心したいから。嫌われていないか、関心を向けられているか、つねに不安なのだ。その欲求はとても未熟で、けれど根源的なもののように思う。みんなこの不安とどうやって向き合っているのだろう。どう、やりすごしているのだろう。
目次
わからないから
手渡せるものなど
大きなジョッキ
日記1
名づけられない
全部わたしが決めていい
一度きりの
日記2
このがめつい音
そのとき書きたいことだけを
聞こえない雨の音
日記3
思えばいつも夜のこと
母ではないわたしたち
レジャーシートの舟に乗って
日記4
著者等紹介
堀静香[ホリシズカ]
1989年神奈川県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。歌人、エッセイスト。「かばん」所属。現在は私立の中高一貫校で非常勤講師として国語を教えている。第50回現代歌人集会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
チワ
7
日常の些細なことにも、どうして、なぜと問う回数が多く、この人は哲学をしているなあと思ったら哲学科出身なんだそうな。元から自然と問いを持っていた人なのかな、きっと。自信がなく、嫉妬深く、それでも一生懸命に言葉を紡いで、良質なエッセイ、短歌を書いている著者の生き様がぴかぴかしている。 考えてみると、私は子供の頃、よく泣いていたなあと思う。親には何も伝わらないし、何も伝えてくれない。それが悲しくて、言葉にできなくて、ただ癇癪を起こして泣いていた。わからなくても近くにいてよ、って言いたかったんだろうか。2025/09/29
まなみ
6
堀さんの文章は嘘のない感じで、お話しているような気持ちになって好き。きっと書きづらかったんじゃないかなと思うようなことも書いてくれて、私はその文章を読んで共感して救われている。読後、わからなくても近くにいてよというタイトルがぐっときた。2025/01/18
かぐや
2
本屋さんで書棚を眺めている時に、偶然目にしてタイトルに惹かれ購入。エッセイと日記の構成。生活感溢れる文章が、自分と結びつけやすく読みやすかった。本が読めない日々が続いていた中で、また少しずつ読み始めようと思わせてくれた1冊。これから追いかけたい作家さんです。2025/07/07
しゅんぺい(笑)
2
素朴さが素敵な、エッセイらしいエッセイ。忘れてしまいそうな出来事や感情もすくいあげてるのがいいやんなと、あらためて感じた。2025/03/09
pp
1
全部全部やりたい、という欲張りさ、私も同じで強欲で傲慢だなと思う。けどわからない、とかで手放したくないと思ってしまう2025/06/17
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